株式会社Rossoが台帳型連合学習のフレームワークをオープンソース化
東京都渋谷区の株式会社Rosso(以下、Rosso)は、独自に開発した台帳型連合学習をオープンソースとして公開し、これまでの連合学習の常識を覆す新たなアプローチを提供しています。台帳型連合学習は、特許出願中の技術であり、完全非同期な連合学習を実現することで、実装のシンプルさと導入コストの削減を実現しています。
オープンソースリンクと特徴
Rossoが公開したフレームワークは、サーバーアプリ『conlai』およびクライアントフレームワーク『pyConLAi』の2つです。これにより、誰でも簡単に台帳型連合学習を試すことができる環境が整いました。特に、サーバー側には必要最低限の機能しか備わっていないため、各種AIサービスへの容易な導入が可能です。ユーザーはデータを中央サーバーに送信することなく、クライアント内で保持・学習することができるため、個人情報や機密データを守りながら安全にAIモデルを構築することができます。
従来の連合学習との違い
従来の連合学習では、複雑なネットワーク構成や同期処理が必要であったため、導入のハードルが高い問題がありました。しかし、Rossoの台帳型連合学習では、各クライアントがトリガーとなって学習モデルの更新を行うことで、完全に非同期な処理が可能となります。この仕組みにより、柔軟なネットワーク構成が実現し、P2Pなどの複雑な構成は不要となります。
さらに、学習データはクライアント側に保持されたまま学習が行われるため、秘匿データを外部に送信する必要がありません。この特性は、プライバシーを重視する企業や組織にとって大きな魅力となります。
AIエージェントとの連携
最近では、機密データを外部に出さないローカルAIエージェントの需要が高まっており、台帳型連合学習はこうした市場のニーズにもマッチします。また、エッジ端末で動作するAIエージェントとの相性も良く、今後の連携が期待されています。
今後の展望
Rossoは今後、台帳型連合学習技術とAIカメラ技術を組み合わせたクラウドサービスを開発中です。これにより、さらに幅広いAIサービスへの応用が可能となります。さらなる応用や検討を進めていく方針であり、詳細についてはRossoへの問い合わせが推奨されています。
会社概要
株式会社Rossoは、2006年に設立され、WEBアプリケーション開発、インフラ構築、AI/機械学習の領域で広範な技術支援を行ってきました。最近では「サクッとAI」や「超解像OCR」などのDX推進サービスを展開し、2024年には株式会社CAC Holdingsのグループ会社となる予定です。
まとめ
Rossoの台帳型連合学習フレームワークは、今までの連合学習の概念を変える可能性を持っています。プライバシー保護を重視しつつ、低コストでの導入が可能なこの新技術は、今後のAI分野における重要なトレンドとなるでしょう。興味のある方は、ぜひ公式サイトを訪れ、その可能性を体験してみてください。