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悪性脳腫瘍の再発防止を目指す「PDTシートII」

株式会社河野製作所が、悪性脳腫瘍の治療法として注目される光線力学的療法（PDT）を支援する新しい医療機器「PDTシートII」を2025年7月1日に発売します。この医療機器は、手術による完全切除が難しく、術後に再発のリスクが高い悪性脳腫瘍に効果的です。

PDTとその必要性

悪性脳腫瘍の術後治療において、PDTは重要な役割を果たします。PDTは、以下の流れで行われます：
1. 術前に薬剤を投与：脳腫瘍に集積する薬剤を患者に投与します。
2. 腫瘍の切除：手術によって腫瘍をできる限り切除します。
3. レーザー照射：術後、レーザーを腫瘍部位に照射し、薬剤が反応して残存する腫瘍細胞を死滅させます。

この過程では、レーザー光が効果的に照射されることが不可欠ですが、遮光が必要です。しかし、従来の医療機器ではこのニーズに対応できていませんでした。これを受けて、河野製作所はPDTシートIIを開発しました。

PDTシートIIの特長

PDTシートIIは、不織布にアルミ箔が挟まれており、レーザー光をしっかりと遮る機能があります。形状は帯形と丸型があり、用途に応じて選ぶことができます。帯形は腫瘍周辺の血管を保護し、丸型はレーザー照射が完了した部位を効果的に遮ることができます。

使用しやすさを追求

手術中、医師はレーザー照射を行う際に目印が必要です。PDTシートIIは、生理食塩水に浸した状態で用いるため、長時間使用しても文字がにじまない素材が使用されています。

患者に優しいデザイン

また、レーザー照射時にシートが組織にくっついてしまうと、除去時に組織を傷める恐れがあります。PDTシートIIでは多孔質素材を選定することにより、組織にくっつきにくく、安全性が向上しています。

企業の背景

河野製作所は1970年に設立され、医療機器製造のリーディングカンパニーとして高い技術力を誇ります。過去には「世界最小の針」を開発し、ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞を受賞した経歴もあります。現在も、医工連携で手術に関わる医療機器の革新を続けています。

まとめ

心意味を持ったこの新しい医療機器「PDTシートII」の登場により、悪性脳腫瘍に対する治療と再発防止が加速することが期待されます。患者に寄り添った設計と、医療現場のニーズに応じた開発が評価され、多くの命を救うことになることでしょう。

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