沖縄におけるSEL導入が教師の休職率低下に寄与
沖縄県那覇市に拠点を置く「株式会社rokuyou」は、教育現場のウェルビーイングを促進するために、SEL(社会性と情動の学び)を基盤としたカリキュラムを提供しています。昨年11月、同社は教育関係者を対象にしたカンファレンスを開催し、SELを導入した学校で教師の休職者が減少したという成果を共有しました。
SEL(社会性と情動の学び)とは?
SELは、感情を理解し、他者との良好な関係を築くために必要なスキルを育成する教育手法です。SELには次の五つの能力があります。
1.
自己理解力:自分自身の認識を深める力
2.
自己管理力:自分の感情をうまく扱う力
3.
共感力:他者への認識を深める力
4.
社会スキル:他者と良好な関係を築くための対人関係スキル
5.
意思決定力:責任ある決断を下せる力
これらのスキルを育むことで、生徒の心理的ストレスが軽減され、学力向上にも寄与することが認識されています。また、教員もこのスキルを習得することでメンタルヘルスの改善が見込まれています。
教員の高い休職率の実情
文部科学省の最新の調査によると、沖縄県における公立学校教員の休職率は全国で最も高く、精神疾患による休職者が前年度より増加しています。これは教育現場における働き方改革とメンタルヘルスの確保が急務であることを示しています。
SELの実施によるポジティブな変化
昨年11月のカンファレンスでは、SELの実施事例が共有され、参加者たちは様々な取り組みから具体的な知識を得る機会となりました。特に、以下のような取り組みが紹介されました。
- - うるま市立天願小学校:教員の孤独感を軽減するため、「嘆きの共有の場」を設けた結果、同僚との関係性が向上し、休職者が減少した。
- - 県立宮古総合実業高校:「お酒の出ない飲み会」を企画し、教員間の対話が活性化。その結果、学校の課題解決に向けたアイデアが生まれた。
- - 私立かえつ有明中・高等学校(東京):教員間の対話的関係が強化され、生徒が自主的にルール作りや企画に関与するようになった。
これらの事例は、SELの導入がもたらす教育現場への好影響を証明するものとして非常に重要です。
代表のコメント
株式会社rokuyouの代表、下向依梨氏は、沖縄県の教育環境が抱える問題に対してSELが有効であることを実感したと述べていますに加え、教育界全体でのSELの重要性が高まっていることを強調します。OECDもSELの育成が未来に必要な力だと指摘しており、地域社会と協力しながら首長いたちでウェルビーイングを目指す姿勢を示しました。
今後、rokuyouはさらなる研究と実践を通じ、全国規模で教育改善に寄与することを目指していきます。