NX商事と東洋建設によるバイオ燃料供給の試み
2025年3月19日、東京都港区に本社を置くNX商事株式会社が、千代田区の東洋建設株式会社に対し、大阪湾でバイオ燃料を供給する取り組みを実施しました。この供給は、東京湾以外でのバイオ燃料供給が初めてであり、両社の環境への貢献を示す重要なステップとなります。
バイオ燃料は、原材料の成長過程において二酸化炭素(CO2)を吸収する特性から、地球温暖化対策においてCO2排出量の計算に含まれないという特長があります。このサステナブルな燃料は、軽油や重油の代替として機能し、既存のディーゼルエンジンに特別な改造を施すことなく使用できる「ドロップイン燃料」としてのメリットがあります。これにより、特に船舶用の燃料としての需要が高知られています。
海上土木工事では、A重油を燃料とする作業船が高いCO2排出量を占めており、作業船の運航における環境負荷削減は、長年の課題とされてきました。この文脈において、東洋建設はバイオ燃料を使用することがCO2の排出を削減する有効な手段であると考え、ДСM6号船(深層混合処理船)にバイオ燃料を使用しています。十分な実績ができた後には、海上土木工事におけるさらなる環境負荷の軽減を目指す方針です。
両社はこのプロジェクトを通じて、カーボンニュートラルへの取り組みを強化していく考えで、ただバイオ燃料を供給するだけにとどまらず、その使用の拡大を通じて持続可能な社会の実現を目指します。
NX商事のサステナビリティへの取り組み
NX商事は、グループの核となる企業として、ビジネス全体のプロセスをカバーする商業と物流サービスを提供することに自負を持っています。特に、燃料供給事業においては、エネルギーの物流機能を持つフィジカルサプライヤーとしてバイオ燃料のサプライチェーンを構築し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。この業界での気候変動対策や資源の循環、生物多様性の保全に対しても積極的です。
東洋建設の国内外での活躍
一方の東洋建設は、国内のみならずシンガポール、マレーシア、フィリピン、中東、ケニアといった地域でも建設事業を展開しており、特に海洋土木工事において高い技術力と実績を誇っています。陸上土木や洋上風力、建築等、さまざまな領域で社会課題の解決に取り組むことを目指しており、バイオ燃料の利用もその一環と言えるでしょう。
両社は、バイオ燃料を使った海上土木工事の実績を重ねることで、環境負荷の低減のみならず新たなビジネスモデルを開発していく考えです。今後ますますの供給体制と物流網の強化を推進し、持続可能な社会の実現に向けて、エコを意識した取り組みを一層強化していくことでしょう。両社の今後の活動に大いに期待が寄せられます。