新たな取り組み、家庭系廃食用油の活用
2023年1月15日、千葉県内で家庭系廃食用油を有効活用した持続可能な航空燃料(SAF)導入のためのサプライチェーン構築事業が始まることが発表されました。このプロジェクトは、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社イトーヨーカ堂、三井不動産レジデンシャル株式会社、株式会社三井住友銀行、株式会社吉川油脂、株式会社野村事務所、そしてENEOS株式会社の7社が連携して進めるものです。
廃食用油の現状
日本国内では、年間約10万トンの家庭系廃食用油が発生しています。しかし、その多くは再利用されることなく可燃ごみとして処分されているのが実情です。このプロジェクトでは、こうした貴重な資源をサステナブルに活用しようという意図があります。バイオ燃料の一つであるSAFやバイオディーゼルの原料として、再利用されることを目指しています。
プロジェクトの背景
この取り組みは、千葉県が公募した「千葉の地域資源を生かしたSAF導入促進事業」に基づいて実施されます。特に注目すべきは、家庭系廃食用油の回収を通じて、自治体との連携を図る取り組みが本邦初となる点です。
実施内容
具体的には、千葉県内のセブン‐イレブンやイトーヨーカ堂、さらには三井不動産レジデンシャルが分譲した大規模マンションなどの場所で家庭系廃食用油を集めます。回収された油は、まずバイオディーゼル燃料製造などに利用される予定ですが、将来的にはこの油を原料にしてENEOSがSAFを製造し、成田国際空港に供給することを目指しています。
目指す理念
本事業の理念は三つに分けられます。
1.
資源循環: 使われていない家庭系廃食用油を最大限活用する。
2.
地域貢献: 成田国際空港をアジアのハブとして国際的にアピールする。
3.
将来世代: 未来に住みやすい地球を残すため、各社の知見を活かしチャレンジする。
今後の展望
今後、7社は千葉県の支援のもと、家庭系廃食用油を資源として活用するモデルを確立し、SAF導入のためのサプライチェーンを構築していくことを目指します。これにより、環境問題の解決へ一歩近づくことが期待されています。
この新しいプロジェクトによって、千葉県における自給自足のライフスタイルやサステナビリティへの意識がさらに高まることが期待されています。また、間接的には地域経済にも良い影響を与えることでしょう。