秋の味覚「北摂栗」の収穫が始まりました
兵庫県川西市で千年以上の長い歴史を持つ「北摂栗」が、今年も秋の味覚の季節を迎え、収穫が行われています。特に注目を集めているのが、栗の王様とも称される「銀寄」。この品種は、甘さと旨みが絶妙に調和した優れた味わいで、多くの栗好きに親しまれています。
北摂栗の特徴と歴史
「北摂栗」は、かつて朝廷や幕府の将軍に愛された栗で、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。その栽培は900年代にまで遡り、大正時代には日本初となる海外輸出も実現。このような背景を持つ「北摂栗」は、その名声を世界に広めており、今も多くの人々に愛され続けています。
町の生産者たちは、その美味しさを追求し、特に「銀寄」を主力品種として栽培しています。川西市の若宮地区でこの栗を生産する河野峰司(こうの たかし)さんも、その一人です。
今年の収穫状況
今年の「北摂栗」の収穫状況は、猛暑と雨不足の影響を受けています。この結果、生理落果と呼ばれる自然現象により、栗は自らの身を守るために未成熟な実を落としてしまいます。河野さんの圃場でも、300本の栗の木が育てられており、年間の生産量の約40%を「銀寄」が占めるものの、今年は収穫量が約30%減少しています。
「例年並みの大きさではありますが、収穫量は少なくなってしまいました。味はすごく良いです」と河野さんは話します。栗の木が自らを守るための落果とはいえ、厳しい自然への対抗は生産者にとっての大きな課題です。
栗を楽しむ秋
「北摂栗」は「道の駅いながわ」で購入可能です。秋の訪れを感じながら、その美味しさを堪能してみてはいかがでしょうか。地域の特産であるこの栗を通じて、歴史や文化に触れつつ、美味しい秋を楽しむことができるのです。
栗を使ったスイーツや料理も多数登場していますので、ぜひ色んな楽しみ方を見つけてください。身体を温める秋の味覚として、「北摂栗」はあなたの食卓に欠かせない存在となることでしょう。大切に育てられた栗たちが皆さんを待っています。