エイブリック株式会社が新たにリリースした車載用高耐圧ボルテージディテクタ「S-19116シリーズ」は、自動車業界における安全性と省エネ性能の向上を目指した製品です。この製品は、業界最速の過電圧検出応答速度を実現しつつ、驚くほどの低消費電流を実現しました。これにより、自動車が備える機能安全のさらなる向上が期待されています。
車載システムでは、バッテリーからレギュレータを通じてマイコンやセンサに電圧が供給されますが、過電圧が発生すると、システムの安全性を脅かす懸念があります。これに対処するため、ボルテージディテクタがその異常を検知し、マイコンの安全リセットを行います。これまででは、過電圧検出時の応答時間は数十μsから数百μsでしたが、その間に電圧が上昇し続けるため、即座に検知できる能力が求められていました。
「S-19116シリーズ」は、最速わずか6.8μsでの検出が可能となり、この領域において革新をもたらしました。消費電流は一般的に増加しがちですが、今シリーズは、具体的に2.0μAに抑えることで低い消費電流を実現しています。これにより、システム全体の効率が向上し、特に待機時の暗電流を大幅に削減することができます。
環境への配慮も忘れてはいけません。「S-19116シリーズ」は、その性能からミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定されました。このことは、エコ意識の高い現代のニーズにマッチしています。
デザイン面でも革新が見られます。超小型のHSNT-6パッケージを採用し、従来製品よりも約20%の省面積化を達成しました。このように、製品の小型化は車載機器デザインの先進性を支える要因となります。
SENSE端子においても、-30Vから45Vの広範囲な電圧を監視可能です。この機能により、逆流防止ダイオード前段へ接続することができ、システムの精度が一層向上します。さらには、AEC-Q100準拠の信頼性と、PPAPへの対応も可能であり、過酷な自動車環境下での使用に耐えうる製品となっています。
この新たなボルテージディテクタは、自動車のエンジンやトランスミッション、サスペンションやEV/HEV関連機器など、様々な用途に活かされていくでしょう。また、DC/DCコンバータやバッテリーマネジメントシステム(BMS)などでもその実力を発揮します。
エイブリックが誇る「S-19116シリーズ」は、自動車業界における安全性と効率性の新しい基準を打ち立てることで、技術革新をもたらす製品となっています。これからもその活躍が期待されます。