国立大学法人東京科学大学の工学院で、電気電子系の准教授を務める雨宮智宏氏が発表した研究テーマが、科学技術振興機構(JST)による大学発新産業創出基金のプログラムに採択されました。このプログラムは、実に現代における技術の進化を促進する重要な一歩と位置づけられています。
具体的には、雨宮准教授が取り組む研究テーマは「マルチコアファイバとフォトニックワイヤボンディングを基盤とした次世代光電融合パッケージ技術(Next-CPO)の開発と事業化」であり、光接続技術に基づく次世代のコパッケージドオプティクスの実現を目指しています。この技術は、将来的に必須とされるAIサーバにおいて、高速かつ省スペースな光電融合実装を可能にするとされています。
この採択を受けて、株式会社みらい創造インベストメンツが事業化推進機関として支援することとなります。この企業は、研究開発型スタートアップの創業から事業拡大まで幅広く支援していることで知られています。彼らは、東京科学大学を中心に技術の社会実装を加速させ、新たな産業の創出に向けた取り組みを行っています。
GTIE(Greater Tokyo Innovation Ecosystem)は、特に大学発スタートアップの持続的な創出を目指しており、東京大学、早稲田大学、東京科学大学が協力して運営しています。このエコシステムは、大学や研究機関の成果を活かして新しいビジネスを育てる環境を整えることが目的です。
また、GTIE GAPファンドプログラムは、大学発スタートアップを志向する研究者や学生に向けて構成されており、研究開発資金の提供が行われるほか、ビジネスとしての可能性を評価し、起業のための課題解決に向けたプロセスが支援されます。その結果、ベンチャーキャピタルからの投資判断が適うような準備が整えられるのです。
みらい創造インベストメンツは、豊富な実績を持ちながらも、まだまだ成長途上にある企業です。彼らは、事業化に向けて必要なリソースを集め、それを効率的に活用することで、研究の成果を社会に還元することを果たしています。さらに、彼らはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)などとも連携し、経営人材の育成などにも取り組んでおり、新興のスタートアップ支援のあり方を模索しています。
雨宮准教授の研究がもたらす光電融合技術の革新と、それを実現させるための支援体制の整備が進められる中、科学技術の進展がどのように未来の産業を変革していくのか、今後の動向が大いに注目されます。