STマイクロエレクトロニクスが新型コンパレータを発表、省電力性と信頼性を両立

STマイクロエレクトロニクスの新たな挑戦

最近、STマイクロエレクトロニクスが、電力消費の効率化と信頼性の向上を実現した新しいシングルチャネルコンパレータ「TS3121」と「TS3121A」を発表しました。これらの製品は、革新的なフェールセーフアーキテクチャと保証された起動時間を特徴としており、特に省電力が求められる機器において重要な役割を果たします。

フェールセーフ機能による信頼性の向上

新たに導入されたフェールセーフアーキテクチャは、電源が途絶えた際にもアナログセンサからの入力電圧を保持できるため、システム全体の堅牢性が向上します。これにより、アプリケーションのファームウェアが簡略化されるとともに、機器の運用が安全かつ効率的になります。さらに、起動時間が保証されているため、電源のオン・オフを頻繁に行っても、システムの停止時間を短縮でき、総体的な消費電力を大幅に削減することが可能です。

多様な用途に対応

これらのコンパレータは、特に産業用ロボットにおいて高い性能を発揮します。メインシステムがオフの状態でもバックアップバッテリによってセンサが動作し続けることができ、その位置を正確に把握することができます。これにより、様々な自動化機器に対応しやすくなっているのです。電源やI/O、出力電圧を個別に設定できるため、産業機器の制御やビル自動化、さらには電動工具やスマートメータといった新たな分野にも適用可能です。

車載分野にも対応した設計

TS3121およびTS3121Aはいずれも車載グレードに対応しております。これにより、パワートレインやボディ制御モジュールなどの自動車関連の用途でも活用が期待されています。幅広い電源電圧範囲（1.7V～5.5V）で機能し、伝搬遅延はわずか60ns（代表値）。また、最大4kVのESDに対する耐性も持ち、厳しい環境下での使用にも耐え得る設計です。

特徴的な仕様

このコンパレータは、高精度の入力段を搭載し、入力オフセット電圧は0.5mV（代表値）です。TS3121は最大で6mV、TS3121Aは最大で2mVのオフセット値を持つため、信号処理面でも優れた性能を誇ります。動作温度範囲は-40°Cから125°Cに対応し、どんな環境下でも使用可能です。

入手方法と価格

現在、TS3121とTS3121Aは入手可能で、価格は1,000個購入時に約0.60ドルです。STは、両製品の無償サンプルをウェブサイトで提供しており、興味のある方はぜひ確認してみてください。さらに、これらの製品はSTによる10年間の長期的な供給保証があるため、安心して導入することができます。

STマイクロエレクトロニクスについて

STマイクロエレクトロニクスは、5万人以上の従業員を抱える世界的な総合半導体メーカーです。約20万社の顧客および数千社のパートナーと協力し、ビジネスの形成や持続可能な社会の実現を目指した半導体ソリューションを提供しています。さらに、2027年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しており、持続的な成長を追求しています。

詳細はSTマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトをご覧ください。