医師とのつながり、進化を遂げる「コネクテッドエンゲージメント」:Veeva Pulseデータが示す最新トレンド
製薬企業にとって医師との関係は、製品の販売や情報提供において不可欠です。しかし、近年は医師へのアクセスが減少傾向にあることが、Veeva Systemsの調査で明らかになりました。
Veeva Pulseの最新データによると、医師の半数以上が、製薬企業との面談を3社以下に限定しているという現状です。特に、内科、腫瘍科、精神科、泌尿器科では、30%近くの医師が1社のみとの面談しか受け入れられない状況です。
この現状を受けて、製薬企業は従来の営業活動を見直す必要に迫られています。Veeva Pulseの調査では、医師はエンゲージメントチャネルの拡大を望んでいることが示唆されています。対面での営業活動に加えて、オンラインでの情報提供や交流など、多様なチャネルを活用することで、医師との繋がりを強化していくことが重要です。
そこで注目されているのが、「コネクテッドエンゲージメント」という新しいアプローチです。これは、営業、マーケティング、メディカルの各部門が連携し、医師との関係を包括的に構築するモデルです。
コネクテッドエンゲージメントでは、医師のニーズを的確に把握し、適切なタイミングで必要な情報を提供することで、信頼関係を築き上げていきます。例えば、新薬の発売前に専門家向けの情報を提供したり、会議中に関連コンテンツを共有したり、フィールド活動とデジタル広告を連動させるなど、多様な手段を活用することで、医師へのエンゲージメントを高めることができます。
Veevaのビジネスコンサルティング担当バイスプレジデントであるDan Rizzo氏は、「リーチや頻度ではなく、関連性とリアルタイムのコミュニケーションに重点を置く企業は、患者に利益をもたらす、よりインパクトのある顧客との会話への道を開くでしょう」と述べています。
医師とのつながりを強化し、より効果的な情報提供を実現するためには、コネクテッドエンゲージメントの導入が不可欠と言えるでしょう。