ダンスカンパニーCAT-A-TACが、文学の名作をダンスで表現する新たな試みに挑戦します。彼らの新作『こころ』は、夏目漱石の晩年の傑作を無声劇という形で上演されるもので、11月3日と4日に神楽坂セッションハウスで行われます。
この公演は、大人から子どもまでが楽しめるようにデザインされており、特に文学の豊かなテーマを感情豊かにビジュアル化することに焦点を当てています。無声劇でありながら、観客はダンスを通じて『こころ』の持つ深いテーマ、すなわち愛や友情、罪、孤独といった普遍的な問題に触れることができるのです。
舞台では、複雑なセットの設営は行わず、日常にあるさまざまな道具をシーンごとに使い分けて表現されます。これにより、観客の想像力が掻き立てられ、ダンスの動きと合わせて新しい気づきを与えてくれる仕掛けが施されています。また、この舞台のために特別に製作されたクラシック音楽が、登場人物たちの感情や物語の展開とともに変化し、無声劇にさらなる奥行きを与えています。
物語は、明治末期という時代設定の中で展開します。「私」は鎌倉で出会った「先生」に強く惹かれ、彼との交流を深めますが、そこには深い孤独と秘められた過去があります。「先生」が持つ友との複雑な関係や、過去の秘密が明かされることで、「私」は人間の心の奥底にある葛藤を体験するのです。このように、舞台は視覚的なダンスだけでなく、心理的な深みも感じさせるものとなっています。
CAT-A-TACは、主宰の藤田善宏を中心に、多様性に富んだメンバーから成るダンスカンパニーです。年齢や身体能力を問わず楽しめる作品作りに力を入れ、幅広いジャンルとのコラボレーションも積極的に行っています。子どもや障がい者を対象とした事業も展開しながら、地域との連携を大切にしています。
公演の詳細については、公式ホームページやカンフェティのサイトで確認することができ、チケットは好評発売中です。興味を持った方はぜひ、CAT-A-TACの『こころ』を体験しに足を運んでみてください。心温まる舞台が、あなたを待っています。