国立科学博物館の新映像、固有種との出会い
国立科学博物館は、2025年3月18日から「クラスメソッド シアター36○」にて新しく制作された映像「日本の川 -固有種との出会いの旅-」の一般公開を開始します。この画期的な映像は、日本の各地にある河川の生態系に焦点を当て、数多くの固有種に出会う旅へと観覧者を誘います。
クラスメソッド シアター36○とは
シアター36○は直径12.8メートルのドーム型シアターで、360度全方向に映像が上映されることにより、まるで空中に浮いているかのような感覚を体験できます。この独特の観賞方法により、映像は観客の目の前で立体的に展開され、川の美しさやその生態を直に感じることができるのです。
新映像「日本の川 -固有種との出会いの旅-」の内容
日本列島は固有の動植物が多く生息する地域として知られています。特に日本の川は各地域ごとに異なった表情を見せており、急流から緩やかな流れまでさまざまな環境に適応したさまざまな固有種が暮らしています。この新作映像では、日本各地の特徴ある河川を巡り、その環境に生息する植物や両生類と出会うことができます。
映像の見どころ
1.
川の地形探検
川の周辺にある地形や岩石について注目しましょう。急勾配の場所では水流が速く、滝を形成することもありますが、逆に緩やかな場所では流れが穏やかになり、小石や泥が見受けられます。たとえば、北海道の釧路湿原や鳥取県の石見川など、地域ごとに異なる環境を観察する楽しさがあります。
2.
激流に適応した生物
大雨が降ると、川は濁流となり生き物に影響を与えます。そうした厳しい環境に生息するサツキやヤシャゼンマイなどの固有種の生態にも注目です。特に、ヤシャゼンマイは水の流れに適応した細長い葉を持ち、水面近くで育ちます。
3.
両生類との出会い
オオサンショウウオやカエルたちは一生を川で過ごす生物たちです。それぞれの地域でどのように生きているのか、彼らがどのように環境に適応しているのかを観察することができます。水が豊富な環境が彼らの多様性を生んでいるのです。
監修者の紹介
この映像は、動物研究部の吉川夏彦研究員をはじめ、植物研究部の海老原淳研究主幹や地学研究部の齋藤めぐみ研究主幹など、多くの専門家によって監修されています。吉川研究員は特にサンショウウオ類やカエル類の研究を進めており、海老原研究主幹はシダ植物に関する研究の第一人者です。齋藤研究主幹は微古生物学の専門家で、川の環境の変化を明らかにするために研究をしています。
国立科学博物館が贈る「日本の川 -固有種との出会いの旅-」を通して、日本独自の生態系とそれを支える多様性の豊かさを直に感じることができる絶好の機会をお見逃しなく。