日本のサステナビリティリーダーが集う取組み
2025年9月17日、日本最大のサステナビリティコミュニティ「Sustainability Leadership Community(以下SLC)」が、SSBJ基準に基づく実務者向け勉強会「第3回SSBJ分科会(初級)」を開催しました。このコミュニティは、企業や個人が集まり、持続可能性に関する知識や情報を共有する場所として、現在795名が登録し、514社が所属しています。
SLCは、サステナビリティを推進するリーダーたちのためのコミュニティであり、Booost株式会社が運営しています。Booostは、東京都品川区に本社を置く企業で、サステナビリティ分野に特化したERPシステム「booost Sustainability」を提供しています。このシステムは、自社やサプライヤーのサステナビリティ関連の情報を管理し、自動化された効率的な監視を実現しています。
SSBJ分科会の目的と内容
今般開催されたSSBJ分科会は、2025年3月に発表されたSSBJ基準に基づく実務対応について議論することを目的としていました。参加者は時価総額5,000億円以上のプライム上場企業から集まり、サステナビリティ部門やIR部門、経営企画部門に所属する実務担当者が中心です。
分科会は全7回のシリーズで展開され、各回が異なるテーマで進行されます。第3回では「Scope3排出削減への取り組み」というテーマで、参加者同士が課題を共有し、解決策を探るための熱心な議論を交わしました。
課題とその共有
ディスカッションの中で、以下のようなさまざまな課題が浮き彫りになりました。
- - サプライヤーデータの収集の難しさ:契約にこの情報を組み込むことが必要であり、そうでなければデータ収集が進まないことが問題視されました。GHGデータを契約書に含むべきかどうかという点で、社内で意見が分かれることもあるようです。
- - 業種特有の算定問題:顧客の利用による排出量が大きい業種や、中小企業との取引における意識の違いがあるため、啓発活動が求められています。
- - 社内方針の一貫性欠如:製品ごとに対応が異なる場合が多く、統一された社内の見解を示すことが難しいという指摘もありました。
これらの課題を共有することで、参加者同士が相互に理解を深め、解決への糸口をつかむことができたと、喜びの声も数多く寄せられました。今後もこのような有意義なディスカッションを続け、実務に直結する情報提供を行うことが目指されています。
今後の開催について
SSBJ分科会は、2025年7月から2026年1月までの期間、毎月開催される予定です。対象はサステナビリティ、経営企画、IR部門の実務担当者や管理職で、レクチャーと少人数制のグループディスカッション形式で行われます。これにより、参加者はSSBJに関する基礎知識の向上だけでなく、他社の成功事例を学び、自社へと応用する機会を得ることができます。
また、経営層への説明に役立つ知識や、他社とのネットワーク構築ができるメリットも大きなポイントです。参加希望者はSLCのウェブサイトから入会手続きを行うことができます。
SLCの未来に向けて
Booost株式会社が目指すのは、サステナビリティ推進を企業価値向上へとつなげることであり、その取り組みは今後も続けられます。「日本をSX先進国へ」プロジェクトも立ち上がっており、企業がサステナビリティに対する理解を深め、実務につなげる場を提供する役割が強調されています。持続可能な未来に向けて、SLCは企業や個人と協力しながら、構造的変革を推進していく所存です。