「服の日シンポジウム」の概要と目的
2月9日、東京都心のアルカディア市ヶ谷にて「服の日シンポジウム」が開催されました。このイベントには、「世界で最も幸せなファッションカンパニー」をスローガンに掲げる株式会社TSIホールディングスの代表取締役社長、下地毅氏が登壇しました。
シンポジウムは、一般財団法人日本ファッション教育振興協会の櫛下町慶子理事長の挨拶から始まり、文部科学省の米原泰裕専修学校教育振興室長や上田学園の田島等校長も参加しました。東京ファッションデザイナー協議会の久保雅裕氏がファシリテーターを務め、「これからの職業人材教育に求められる専修学校教育とは」というテーマで議論が交わされました。
現在のファッション教育の課題
少子化や大学全入時代が進む中、服飾や家政を専門とする学校への入学者が減少している現状があります。また、専門学校の大学化や大学の専門学校化が進んでおり、専門学校が「専門職大学」として認可されることも増えてきました。これに伴い、企業が専門学校卒業生と大学卒業生をどのように評価するべきかが不明瞭になってきています。
この混沌とした状況において、教育機関、政府、産業界の協力が求められ、一貫性と透明性のある教育システムの構築が急務であると議論されました。下地毅氏は、専門学校の教育は「数の論理よりもクォリティが重要である」と主張しました。そのうえで、企業が求める人材育成について「ベクトルを持った人材を育ててくれることが必要」と述べ、海外の服飾専門学校との連携やインターンシップの拡大も提案しました。今後、日本の学生が海外ブランドでのインターンシップが充実することを期待する意見も表明されました。
表彰式の開催
シンポジウムの後には、第40回全国服飾学校「ファッション画コンクール」の表彰式が行われました。このコンクールには、「今、私が着たい服」というテーマで52校から405点の応募作品が寄せられました。審査委員長の小篠ゆま氏の挨拶の後、文部科学大臣賞には福岡県の香蘭ファッションデザイン専門学校の森大樹さん、経済産業大臣賞には大阪府のマロニエファッションデザイン専門学校の福永紗花さんがそれぞれ選ばれ、受賞者が表彰されました。
このようなシンポジウムやコンクールを通じて、ファッション教育の未来がさらに明るくなることが期待されます。教育機関や産業界が手を携え、次世代を担う人材を育成することが、今後の課題であり目標となります。
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これからも、ファッション業界の発展と教育の充実に注目していきたいと思います。