AR技術を用いた新たな防災教育の未来を切り拓く取り組み

AR・VR技術を活用した新しい防災教育の誕生

日本社会における防災教育は、近年の自然災害の多発に伴い、ますます重要性を増しています。そんな中、一般社団法人「AR防災」は、教育機関や地域社会と連携し、最新のAR（拡張現実）やVR（仮想現実）技術を活用した新たな防災教育プログラムを開発しました。この取り組みは、具体的な避難訓練の質を向上させ、災害発生時における適切な行動を身に付けるためのものです。

包括連携協定の締結

2024年1月14日、AR防災は日本大学危機管理学部、NPO法人減災教育普及協会、神奈川歯科大学と包括連携協定を締結しました。この協定の目的は、「避難訓練をアップデートする！」というプロジェクトを通じて、実践的な防災教育を全国に広げることです。具体的には、教育・保育施設での避難訓練法を標準化し、その効果を科学的に証明することを目指します。

この事業では、日本大学附属の施設をモデルにし、現場での教え方や指導法に関するエビデンスを定期的に収集していきます。また、指導者向けのマニュアルの整備を行い、地域社会との連携を強化していきます。これにより、学生や生徒が指導者として活躍できる体制を整え、地域内での学びの循環を生み出すことが期待されています。

災害の実態に合った避難訓練の必要性

1995年の阪神・淡路大震災以降、日本は地震活動期に突入しました。また、近年の気候変動により、豪雨やその他の自然災害が激増しています。それにもかかわらず、教育・保育施設で行われる避難訓練の内容は、実態に即していないことが多いのが現状です。避難訓練の内容が数十年間変わらないため、実際の災害時には逆に危険が増す可能性があります。

AR防災は、この状況を打破するため、避難訓練の質を向上させる必要性を認識しています。特に、子どもたちが「危険予測力」と「危険回避能力」を養うことが重要です。

新しいツールの開発

そこで、AR防災は、NPO法人減災教育普及協会と連携し、避難訓練に役立つ新たなツールの開発を進めています。具体的には、「がたぐら」や「YURETA（ユレタ）」といった災害模擬体験用のツールや、AR/VRアプリ「Disaster Scope®」があるこれらは、リアルな災害体験を提供し、効果的な防災教育を行うための基盤となります。