環境配慮型ラベル「LIMEX Aqua Jet Label」の特徴
最近、兼松株式会社と株式会社TBMが共同で開発した「LIMEX Aqua Jet Label」が、エプソンの業務用カラーラベルプリンターに正式に採用されることになりました。これにより、業務用プリンター向けにプラスチックや二酸化炭素の排出を削減する新たな選択肢が提供されます。
「LIMEX Aqua Jet Label」とは
「LIMEX Aqua Jet Label」は、プラスチック代替としての役割を果たす環境素材で構成されており、水性インクジェット印刷にも適した加工が施されています。このラベルは、一般的な合成シートであるPP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテフタレート)と比べて、温室効果ガスの排出量と石油由来プラスチックの使用を大幅に削減することができます。これは、兼松とTBMの持続可能性への取り組みの一環として行われており、環境にやさしい製品の普及を目指しています。
エプソンの環境ビジョン
セイコーエプソンは「環境ビジョン2050」として、2050年までにカーボンマイナスを目指し、製品や生産工程の省エネルギー化に取り組んでいます。その中で、「LIMEX Aqua Jet Label」は、エプソンの基準を満たす印刷品質を証明し、純正品として採用されることとなりました。
環境への影響
今日、温暖化や海洋汚染は深刻な問題となっており、企業や製品に対する環境意識が高まっています。特に、シールやラベルに関しても、環境にやさしい素材を求める声が増えています。このような背景の中で、「LIMEX Aqua Jet Label」は、環境負荷の低い製品を求める市場のニーズに応える形で登場しました。
各社の取り組み
TBMは、国内外での「LIMEX」の普及に力を入れており、同社の工場では、実質的に100%再生可能エネルギーを使用しているという自負があります。また、CO2排出係数ゼロの電力供給を通じて、製品ライフサイクル全体での環境負荷の低減を目指しています。一方、兼松も脱炭素社会の実現に向け、同プロジェクトに取り組んでおり、2025年までにカーボンニュートラル達成を目指しています。
LIMEXの素材特性
「LIMEX」は、主に炭酸カルシウムを含む無機物を基にした新たな素材で、紙やプラスチックの代替品としての特性を持っています。この素材は、製品のライフサイクル全体を通じて、環境への影響を科学的に分析するライフサイクルアセスメント(LCA)を用いて評価されており、10,000を超える企業や自治体に採用されています。そのため、国際会議などでも紹介されることが多く、日本の先進技術としての地位を確立しています。
まとめ
今後、環境意識の高まりに伴い、「LIMEX Aqua Jet Label」のような環境配慮型商品がますます需要されることでしょう。兼松とTBMの取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなります。気候変動に対するさらなる挑戦と、企業の社会的責任が問われる時代の中で、このような技術革新がどれほどの影響を与えられるかが期待されます。