九州における新プロジェクト「百年ソーラー九州事業」
九州旅客鉄道株式会社、三菱UFJ信託銀行株式会社、芙蓉総合リース株式会社、そしてヒラソル・エナジー株式会社の4社は、九州エリアでの太陽光発電の運営における社会課題解決に向け、「百年ソーラー九州事業」という新しいプロジェクトを始動しました。この取り組みは、中小型の太陽光発電所を取得し、運営を集約することで、長期的かつ安定的な発電を実現し、地域のカーボンニュートラル達成に寄与しようというものです。
太陽光発電所の現状と課題
現在、日本に存在する太陽光発電所の大部分は中小型であり、その発電容量は1MW未満のものが9割を占めています。このような発電所は、2012年に開始されたFIT(固定価格買い取り制度)の恩恵を受けて急速に普及しましたが、FIT期間の20年が経過した後には、運営の放棄や廃棄が懸念されています。特に、九州地域においては、中小型発電所が発電量ベースで国内の約16%を占めている一方で、経営環境の厳しさやオーナーの高齢化により、管理が行き届かないケースも増えています。このような現状が、九州エリアにおける脱炭素化の取り組みに対する大きな障壁となっています。
「百年ソーラー九州事業」の特徴
このプロジェクトは、既存の中小型太陽光発電所を積極的に取得し、その運営を集約することによって、デジタル技術を駆使した安定的な発電所の運用を目指しています。具体的には、2027年までに対象エリアで10MWの発電所を取得し、ヒラソル・エナジーの技術を活用して性能評価や必要に応じたリパワリングを実施します。
リパワリングとは、発電機器の性能を再生させるプロセスであり、ヒラソル・エナジーは独自の気象データおよび発電データを駆使して、効率的かつ確実な手法でこの作業を進めます。これにより、太陽光発電所の発電性能を向上させ、長期的な運営が可能となるのです。
地元金融機関との連携
また、地元の金融機関である株式会社肥後銀行からの融資を受けることで、このプロジェクトは地方創生にも寄与することを目指しています。フルサポート体制で、地域の特性に合わせたビジネスモデルの構築を進める計画です。
各社の期待とビジョン
JR九州
JR九州は、地域に根ざした企業として、「百年ソーラー九州事業」を通じて太陽光発電の課題解決に取り組むと同時に、集約された発電所からの電力の活用に期待を寄せています。環境課題への取り組みをビジネス機会として捉え、福祉的な解決策の提示を行う姿勢です。
三菱UFJ信託銀行
三菱UFJ信託銀行は、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、本事業においてヒラソル・エナジーの技術を社会に実装し、安定供給や地産地消を推進することを目指しています。
芙蓉総合リース
芙蓉総合リースは、再生可能エネルギー事業にコミットし、全国の太陽光発電事業の運営経験を活かして、持続可能なビジネスモデルを構築したいと考えています。
ヒラソル・エナジー
ヒラソル・エナジーは、長期にわたるアセットマネジメントを提供し、太陽光発電の安定稼働を実現する国際的な取り組みを広げる意向を持っています。
「百年ソーラー九州事業」は、九州エリアにおける脱炭素化と地域の持続可能な発展に貢献するための重要な試みであり、今後の動向が注目されます。