2025年第3四半期 脅威レポートの概要
Genが発表した2025年第3四半期の脅威レポートによると、日本におけるサイバー犯罪のリスクは前期比で約7%増加し、17.5%に達しました。これは、デジタル社会が進展する中で、詐欺やサイバー攻撃の頻発が影響していることを示しています。
日本における主要なデータ
レポートでは、以下のような重要なデータが取り上げられています。
- - 総ブロック攻撃数: 約1億300万件
- - 個人情報保護アラート: 前四半期から30%以上の増加
- - ロマンス詐欺: 前期比123%増加
- - 広告型マルウェア: 前期比87%増
- - モバイル領域のマルバタイジング: 50%増加
- - ウェブシールドの検知数: 約9,600万件(19%増)
- - AI生成型フィッシングサイト(VibeScams): 昨今、特に増加傾向に
デスクトップ環境での脅威
日本のデスクトップ環境では、詐欺が最大の脅威とされています。この期間中、サイバー犯罪のケースとして特に目立ったのが、総務省になりすましたSMSや、電子署名の期限切れを知らせる不正通知です。
これらの手口は、特に注意が必要で、全国で多くのユーザーが騙される事例が発生しています。
世界的な傾向
世界的には、サイバー犯罪の形態が変わりつつあり、特にAIを活用した詐欺が目立つようになっています。
- - AI生成フィッシングサイト: 14万件以上検出
- - データ侵害: 前期比82%増加
- - 不審なアクセスのブロック: 月およそ3,700万件
これらのデータは、サイバー犯罪者がAIを利用して、手口を進化させている現状を反映しています。GenのCTO、シギー・ステファニソン氏は「AIはサイバー犯罪の手法を一変させ、その精度を飛躍的に向上させている」と警鐘を鳴らしています。
詐欺サイトの巧妙化
今期特に注目したいのは、AIにより生成された、非常に巧妙な詐欺サイトが急増していることです。この新たな詐欺手法は「VibeScams」と呼ばれます。この手法では、AIを用いて極めてリアルなブランドサイトを模倣した詐欺サイトが量産されています。これにより、ユーザーは正規のサイトと詐欺サイトを識別することが一層困難になっています。
AIを使った詐欺サイトの作成工程
サイバー犯罪者がAIを用いて詐欺サイトを作成する流れは次の通りです:
1. プロンプト入力やスクリーンショットを基に生成
2. 偽の入力フォームを設置
3. サイト公開後は計測や改善を行い、再配布
SMS詐欺の進化
SMS詐欺も高度化しており、数行のメッセージで多段階型の詐欺が展開されています。Gen Threat Labsによる調査では、サイバー犯罪者が生成したSMSはますます巧妙で、本物らしさが増していることが明らかになりました。
実際、詐欺の多くは金銭目的であり、少額決済やカード情報の窃取を狙っています。特に、求人詐欺や返金詐欺、投資詐欺が目立っており、ユーザーは日常的に警戒を強める必要があります。
まとめ
これらのデータや傾向は、これまでになくサイバー犯罪が深刻化していることを示しています。Genは、サイバーセキュリティの向上と共に、ユーザーへの防御策を強化することを目指しています。デジタル空間での安全を守るため、我々一人ひとりの警戒が求められます。