SyntheticGestaltが新たな分子AI技術を発表
SyntheticGestalt株式会社は、2026年6月23日、米国サンディエゴにて開催されている「BIO International Convention 2026」で、4D分子基盤モデル「ZAO」の学習にNVIDIA製のnvMolKitを駆使することを発表しました。この発表により、AIによる発明の自動化という同社の目標に一歩近づくことが期待されています。
4Dモデルが可能にする新しい視点
従来の分子AIは、分子を1次元の文字列や2次元のグラフで扱うことが一般的でしたが、ZAOは分子の多様な配座に基づく3次元形状を学習することに特化しています。この4D表現は、平面的なモデルでは捉えきれない立体構造を維持し、分子が標的に結合し、細胞膜を透過するメカニズムを理解するための鍵となります。SyntheticGestaltのCEOである島田幸輝氏は、「分子の特性を決定するのは、その三次元の『形』です」と述べ、このモデルの優位性を強調しました。
高速化したコンフォーマー生成
ZAOの事前学習には、数億に及ぶ化合物から高品質なコンフォーマーを生成する必要がありますが、従来のCPUベースでは現実的ではありませんでした。そのため、SyntheticGestaltはNVIDIA nvMolKitを導入し、これにより約100億個のコンフォーマーを生成。彼らのベンチマークでは、nvMolKitが224のCPUスレッドで実行した従来の方式に比べ、約20倍の生成速度を実現し、その能力は毎秒18,000コンフォーマーに達したと報告されています。
エージェントの力
ZAOモデルは、生成されたコンフォーマーをもとに4D構造をエンベディングへ変換します。これによって、製薬や農薬、低分子材料の研究者は、このエンベディングを利用して物質の特性予測を行うことが可能です。さらに、SyntheticGestaltはNVIDIA BioNeMo Agent Toolkitを利用してAIエージェントの開発を進めており、化合物のスクリーニングや類似分子の探索、予測モデルの作成を自動化することで、研究者の業務を大幅に効率化することを目指しています。
NVIDIAとの協働
SyntheticGestaltは、NVIDIA Inceptionプログラムに参加しており、nvMolKitの導入とベンチマークを通じて、機能要望や課題を直接NVIDIAにフィードバック。その結果、新機能がnvMolKitに追加されるなど、協力関係が築かれています。これにより両社は、さらなる技術進化を実現することを志向しています。
企業情報
SyntheticGestaltは東京を拠点に、2018年に設立された分子AI企業です。製薬、化学、農薬、化粧品、食品など多様な分野で、AI技術を活用した分子発見を推進しており、従来の方法と比較してコストと期間を最大90%削減する実績があります。詳細については、
公式ウェブサイトをご覧ください。
連絡先
メディアに関するお問い合わせは、SyntheticGestaltの水上蒼(
[email protected])までどうぞ。