デンソーテンの顔画像解析技術
株式会社デンソーテンが、カメラで撮影された顔画像を用いて人の内面を推定する新しいAI技術を発表しました。この技術は、ヒヤリハットや居眠りの兆候を識別することで、ユーザーの安全を高めることを目的としています。
内面推定のメカニズム
このAI技術の基本的な仕組みは、まず生体情報から人の内面状態を解析することにあります。脳波や心拍といった生体情報をもとに、「ヒヤリとする体験」や「頭がぼんやりする状態」といった感情状態を捉えます。また、この際に顔の各部位(眉、目、鼻、口)の特徴量も重要な要素となります。AIはこの特徴量と内面状態との関連性を学習し、最終的にユーザーの顔画像を分析することによって内面の状態を推定します。
従来技術との違い
デンソーテンはこれまでにも、脳波センサーや心拍センサーを活用した感情推定技術を開発してきましたが、これらは接触型であったため車載利用には多くの課題がありました。今回の技術は、非接触型のカメラを使用することで、導入のリスクとコストを大幅に削減し、より広範な応用が可能になっています。
技術の発表と今後の展望
この技術は、2023年3月5日から7日にかけて芝浦工業大学で開催される「情報処理学会 第212回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会」において発表される予定です。この場において、デンソーテンは自社の技術がどのように安全で快適なモビリティ社会の実現に寄与するのかを示すでしょう。
専門家の期待
神戸大学大学院医学研究科の曽良教授は、この技術について次のようにコメントしています。「生体情報に基づく推定は、個々の内面を理解するために重要です。これによって、より快適で充実した生活が可能になることを期待しています。」
持続可能な社会への貢献
デンソーテングループは、企業ビジョン「VISION2030」を掲げ、人と地球に優しい製品を通じてクルマの魅力を高める取り組みを進めています。モビリティソリューションパートナーとして、人々の移動に関する様々な課題を解決し、「環境にやさしい」「安心・安全」なモビリティ社会を実現することを目指しています。
この技術の開発は、SDGsの達成へ向けた重要なステップであり、今後の展開が期待されます。デンソーテンの挑戦が新しい社会的価値を生み出すことに大いに期待しましょう。