アルミサッシをリサイクルする新たな取り組み『CEチャレンジャーズ』始動

アルミサッシの新たなリサイクル革命『CEチャレンジャーズ』の誕生

日本が推進する脱炭素社会の実現に向けて、三協立山株式会社、株式会社アビヅ、株式会社イボキン、オリックス環境株式会社、株式会社こっこー、株式会社HARITAによる新しい資源回収ネットワーク「CEチャレンジャーズ」が立ち上げられました。この取り組みは、アルミサッシの資源回収を通じて高品質なリサイクルアルミの安定供給を目指し、製造業とリサイクル業の連携を強化するものです。2023年10月からの運用開始に伴い、特に中四国エリアにおいては株式会社こっこーが解体現場からのスクラップ回収を担当します。

アルミサッシの現状とリサイクルの課題

アルミサッシは1960年代から一般的に建築で使用されてきた素材で、優れたリサイクル特性を持っています。しかし、国内で発生するアルミスクラップは年間131万トンに達し、そのうち約46万トンが海外へ輸出されるという現状があります。これは日本での循環利用を阻む要因となっています。

建物の解体現場では、様々な廃材が同時に処理されるため、アルミサッシを単独で選別することが困難です。また、解体から最終的な商品の製造に至るまで、異なる業者がそれぞれの工程を担当するため、品質管理やトレーサビリティの確保が不十分です。こうした問題は、貴重な資源を有効に活用できないだけでなく、環境負荷軽減の機会も逃す結果となっています。

「CEチャレンジャーズ」の具体的な取り組み

「CEチャレンジャーズ」では、使用済みアルミサッシの資源循環を効率化するために「水平リサイクル」を推進します。これは、使用済み製品を元の品質に近い製品に再生する手法です。具体的には次のプロセスを経て、リサイクルの流れを確立していきます。

1. トレーサビリティの確保：リサイクルアルミの流れを追えるシステムを構築します。
2. 品質管理の強化：解体から回収、分別の一貫したシステムを確立し、高品質なアルミを保ちます。
3. 効率的な保管と運搬：適切な管理体制を設け、運搬過程での品質低下を防ぎます。
4. 付加価値の提供：リサイクルプロセスを通じて、高付加価値を持つ製品の供給を目指します。

この新しい資源回収フローでは、解体と基本的な分別を行った後、後続の処理を「CEチャレンジャーズ」が一貫して行うことが特徴です。これにより、トレーサビリティが強化されるほか、環境に配慮した製品の供給が実現します。

解体主に与えるメリット

このプロジェクトの推進により、解体事業者には以下のメリットがあります。まず、トレーサビリティと透明性が確保され、アルミサッシの回収から再生に至るプロセスが明確になります。また、環境に貢献する企業としての信頼性を示すことができ、企業価値の向上にもつながります。具体的には、天然資源の使用を抑え、製造過程でのCO2排出量を削減し、ESG経営の目標達成にも寄与します。

期待される効果と今後の展望

「CEチャレンジャーズ」による取り組みにより、天然資源から製造されるアルミ新地金と比較して、温室効果ガスの排出量を約97%削減することが期待されています。また、国内での資源循環が促進され、持続可能な社会の実現にも寄与するでしょう。

今後は、建設業や環境分野の企業とのさらなる連携を図り、全国規模での回収ネットワークの拡大を目指していきます。「CEチャレンジャーズ」を通じて、日本におけるアルミ資源の循環モデルを確立し、次世代の環境保護政策へとつなげていくことが望まれています。