第16回創作漢字コンテストでの優れた作品たち
2023年、創作漢字の未来を考える「第16回創作漢字コンテスト」が開催されました。このコンテストは、産経新聞社と立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所が主催し、参加者には「100年後まで残る漢字を作ってみませんか」というテーマが与えられ、合計で2万1856点もの作品が寄せられました。この数は、まさに創作漢字への熱い想いを物語っています。
最優秀賞の受賞作品
最高賞である「白川創作漢字最優秀賞」を受賞したのは、川崎市在住の藤本周司さん(55歳)の「くまにちゅうい」と、福岡市の畠中逞真さん(14歳)の「わんおぺ」という二つの作品です。
「くまにちゅうい」
藤本さんが考案した「くまにちゅうい」は、山中の食物不足に伴い、クマによる事件が増加している現状に着目した作品です。彼のコメントには、「山の食物不足のためか、クマによる痛ましい事件が多く、素直に形にしました。皆さまご注意ください。初応募で賞を頂き光栄です」という思いがつづられています。自然との共存を意識したこの漢字は、多くの人に警鐘を鳴らすメッセージを持っています。
「わんおぺ」
一方、畠中さんの「わんおぺ」は、家庭のために日々奮闘する母の姿を表現しています。「この度は、このような素晴らしい賞に選んでいただき、ありがとうございます。日々、家族のために一生懸命な「母」の姿を漢字一字で表しました」とコメントを寄せ、彼の創作には家族への感謝と敬意が込められています。
審査と入賞作について
コンテストは、社会人・大学生、高校生、小・中学生の3部門に分かれて審査が行われました。最優秀賞のほか、富国生命優秀賞(社会人・大学生対象)やZ会優秀賞(高校生、小・中学生対象)といった各賞も設定され、入賞作は計13点に上ります。さらに、特別賞や成句特別賞も用意され、多彩な作品が評価されました。
今後の展望
今回のコンテストを通じて、創作漢字がどのように社会に影響を及ぼし、文化を形成していくのかが注目されます。現代の問題や感情を漢字一字に凝縮するという試みは、言葉の力を再認識させる素晴らしい機会となっています。生まれた漢字が100年後にどのような意味を持つのか、今から楽しみです。
お問い合わせ
本コンテストに関するお問い合わせは、創作漢字コンテスト事務局までメールでお寄せください。
今後の創作漢字コンテストには、さらなる多くの応募が期待されます。漢字を通じて、私たちの思いや文化が次世代へと受け継がれていくことでしょう。