川崎市が先駆ける自動運転バスの実証実験
川崎市で画期的な自動運転バスの実証実験が始まりました。これは、全国で初となる自動運転レベル4のシステムを搭載した「Minibus2.0」を使用し、令和6年12月25日に納車された車両を利用したものです。この実証実験は、特に都市部の複雑な交通状況における自動運転技術の適用を探求する重要なステップとなります。
実証実験の目的
自動運転バスの運行ルートは、川崎区の「大師橋駅」から東京都大田区の「天空橋駅」と、川崎駅から市立川崎病院への2つのルートに設定されています。このプロジェクトは、運転手不足や都市の交通利便性を改善するための施策の一環として企画されており、日常の通勤・通学における移動手段の選択肢を増やすことを目的としています。特に交通量が多い都市部での自動運転バスの走行は、運転技術の進化を実証する絶好の舞台となります。
出発式と関係者の参加
実証実験の開始を祝う出発式が、令和7年1月27日に川崎生命科学・環境研究センターで行われました。この式には、市長をはじめ多くの関係者が出席し、自動運転バスに試乗する様子も見られました。また、川崎市立殿町小学校の5年生が、自動運転とSDGsについて学んで得た知識や今後の期待を発表する場面もあり、地域の教育活動と技術革新が結びつく貴重な機会となりました。
実証実験の概要
羽田連絡線
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ルート: 大師橋駅(川崎市)~天空橋駅(東京都大田区)
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運行レベル: レベル2(部分手動運転)
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期間: 令和7年1月27日~30日、2月4日~7日
このルートでは、車両側で信号情報を取得しながら走行する信号連携も実施され、都道府県をまたぐ全国初の試みです。
川崎病院線
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ルート: 川崎駅~市立川崎病院
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運行レベル: レベル0(完全手動運転)
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期間: 令和7年2月1日~2日
多くの人が行き交う川崎駅前での運行を通じて、社会的受容性を高めることを狙います。
自動運転バスの技術
自動運転バスに使用されるMinibus2.0は、ティアフォー社が製造した最新型のEV車両です。従来モデルに比べてバッテリーが強化され、航続距離も大幅に向上しています。また、複数のシステムによる冗長性も改善されており、安全性が一層強化されています。この自動運転バスの公道走行は、全国的に初の試みとしても注目されています。
一般向け試乗会の実施
実証実験に合わせて、一般向けの試乗会も開催されます。1月28日から2月7日までの日程で、予約制にて試乗が可能です。これは市民に自動運転技術を身近に感じてもらう絶好の機会となります。この試乗会の参加は、川崎市のホームページから事前に予約が必要です。
これらの取り組みは、将来的に自動運転バスの普及に貢献するだけでなく、都市交通の効率化や利便性向上に寄与することが期待されています。