発酵食品とストレス軽減
2026-06-05 14:28:54

発酵食品の乳酸フェニルアラニンが精神的ストレスを軽減するメカニズムを解明

発酵食品と精神的ストレスの新たな関係



最近、明治大学の研究チームが発酵食品に含まれる「乳酸フェニルアラニン」という成分が、動物において精神的ストレスを軽減する可能性を示す研究結果を発表しました。この研究成果は、発酵食品がどのように私たちの脳に影響を与えるかを探る新たな重要なステップとなっています。

研究の概要



この研究は、明治大学農学部の金子賢太朗准教授や鈴木詩萌博士前期課程2年など、研究者たちの協力により進められました。彼らは、運動時に体内で生成され、発酵食品に含まれる乳酸フェニルアラニンをマウスに経口摂取させ、その効果を分析しました。これまで乳酸フェニルアラニンは、食欲抑制や代謝調節に関連するとされていましたが、不安関連行動との関連が明らかにされたのは今回が初めてでした。

研究背景



現代社会では、ストレスが長期的に続くことで不安障害や抑うつ状態が引き起こされ、健康問題として大きな課題になっています。従来の治療ではセロトニンやドーパミンなどのモノアミン神経系がターゲットにされることが多いですが、副作用や依存性の問題が懸念されています。そこで、異なるメカニズムを持つ新しい機能性成分の探索が求められています。

こちらの研究が注目した乳酸フェニルアラニンは、運動時に生成され、パルメザンチーズや醤油などの発酵食品にも含まれています。これまでその脳機能への影響はほとんど研究されていなかったため、今回の調査が必要とされていました。

研究成果の詳細



研究チームは、乳酸フェニルアラニンが精神的ストレスにどのように作用するかを確認するため、マウスを使った実験を行いました。特に、高架式十字迷路試験や新奇環境摂食抑制試験を用いて、マウスの行動を観察しました。

実験の結果、乳酸フェニルアラニンを摂取したマウスは、オープンアーム(開放空間)での滞在時間や頻度が増加し、不安様行動が減少しました。また、乳酸とフェニルアラニンを単独で与えた場合には、このような効果が見られないことから、乳酸フェニルアラニンの特異な結合状態が重要であることが示されました。

さらに、ドーパミン系とセロトニン系の神経伝達物質が関与している可能性も示唆されました。これにより、乳酸フェニルアラニンが脳内でどのように作用するかが徐々に明らかになってきています。

今後の展望



この研究によって、発酵食品に含まれる乳酸フェニルアラニンがストレス緩和に寄与することが初めて証明されました。発酵食品由来の成分が脳機能やストレス反応に関与する可能性は、今後の研究でさらなる展開が期待されます。

また、これらの知見を基に、日常生活に取り入れやすいストレス緩和戦略や機能性食品の開発を進めていくことが重要です。今後も運動と精神的健康の関連について深掘りし、人々の生活に貢献できる研究が期待されます。

論文情報


この研究成果は、2026年5月29日に発行される国際学術誌『Translational Psychiatry』に掲載されます。論文タイトルは「Lac-Phe elicits anxiolytic-like effects associated with monoaminergic signaling in mice」です。

著者には、金子賢太朗や鈴木詩萌、瀬戸義哉など多くの研究者が名を連ねています。これからの進展に注目です。


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会社情報

会社名
学校法人明治大学
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東京都千代田区神田駿河台1-1
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