量子コンピューターの脅威と新たな電子証明書の提供
GMOグローバルサイン株式会社は、2025年7月4日より、量子コンピューターの時代に対応した「耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography:PQC)」に準拠したテスト用電子証明書の発行を開始します。この新たな取り組みは、量子コンピューターの実用化に伴い、従来の暗号技術が直面するリスクに対抗するための重要な一歩です。
背景:量子コンピューターの発展
ここ数年、GoogleやIBMなどのテクノロジー企業、さらには各国政府が量子コンピューターの開発に巨額の資金を投じており、驚異的な計算能力を実現しています。このような進展により、インターネットで広く使用されているRSAやECCのような公開鍵暗号は、量子コンピューターの出現によって脆弱になる可能性が高まっています。
この背景を踏まえ、GMOグローバルサインは量子時代のセキュリティ基盤を築くため、PQC対策のテスト用電子証明書を提供することで、官公庁、金融機関、製造業、医療分野など、重要なデータを扱う様々な業界のセキュリティを強化します。
提供される証明書の種類
GMOグローバルサインが発行するPQC対応の証明書には、次のような種類が含まれます:
- - SSLサーバ証明書(DV)
- - S/MIME証明書
- - クライアント証明書
- - 署名用証明書(個人・組織)
特に、PQCに基づくML-DSA(マルチバリアブルDSA)署名アルゴリズムを用いた階層モデルのプライベートCAにより、安全な電子署名が行われます。なお、ACMEには対応していません。
今後のビジョン
GMOグローバルサインは、将来的にはPQC対応電子証明書の正式なサービスを提供し、さらに量子コンピューターの時代に即した電子認証インフラの構築を目指します。これにより、国際的な標準化機関と協力し、グローバルレベルでのPQCの普及を進めていく方針です。
GMOグローバルサインの信頼性
GMOグローバルサインは、1996年にベルギーで設立され、以来、電子認証の分野で高い信頼性を誇る機関として成長してきました。2006年からはGMOインターネットグループに参加し、セキュリティ技術の開発を推進しています。
現在、日本国内での電子証明書市場でシェアNo.1を誇るGMOグローバルサインは、2024年度には累計発行数が3,800万枚を超える見込みです。このように、安心感あるデジタルコミュニケーションの基盤を支える技術を提供し続けています。
結論
GMOグローバルサインの今後の展望は、限りなく広がっています。電子証明書の新たな展開により、量子コンピューターの発展に伴うサイバーセキュリティの脅威に対抗できる取り組みが進むことでしょう。
詳細やテスト証明書に関するお問い合わせは、
こちらからできます。
以上がGMOグローバルサインの新しい取り組みについての情報です。これからのデジタル社会において、持続可能なセキュリティ基盤を支える重要な役割を果たすことが期待されます。