新しい賃貸住宅《誰かのための家》が誕生
2020年度グッドデザイン賞を受賞した新たな戸建て賃貸住宅《誰かのための家》。このプロジェクトは、神戸市六甲に位置する閑静な住宅地の一角に、住む人々の心地よさを重視した住空間を実現しています。プロジェクトは、住み手の多様なニーズに応えるため、1200件にも渡る調査を行った結果、心地よい暮らしに必要な要素を「採光面」や「出窓空間」に組み込む形で設計されています。これにより、住まいは路地の風景と融合し、地域全体を豊かにすることが意図されています。
誰かのために設計されたコミュニティ空間
近年、賃貸住宅の増加とともにコミュニティが失われつつある中で、「誰かのための家」は目指せる暮らしの再構築を目的としています。地主は、見知らぬ住人よりも共に暮らす隣人を求めており、賃貸住宅を通じて住民同士の交流が生まれることを目指しています。設計を手掛けたのは、地域社会に開かれた事務所を持つPEAK STUDIO。このスタジオは、建物を通して新たなコミュニティを形成する仕組みを提案しました。
心地よさを重視した設計手法
賃貸住宅において何よりも重要なのは、住人の心地よさをどのように実現するかということです。旭化成ホームズが行った研究結果によって、心地よさを生む要素が103種も整理されました。この研究を基に、住まいは自宅内だけでなく、外部環境と心理的要因も考慮して設計されています。陽光や風、季節の変化を感じさせる住空間は、住人に安らぎを提供することが期待されています。
評価を受けた意義ある試み
グッドデザイン賞の審査委員は、このプロジェクトに対して高く評価をしました。彼らは、住まい手を具体的に想定した上での設計は、設計者の情熱と感性を感じられるものであると述べています。賃貸住宅でありながら住人の多様なニーズを満たした設計は、街とのつながりを保ちながらそれぞれの個人のための「居場所」を生み出していると言えるでしょう。実際に、住人は自由にこの空間を使いこなし、日常を楽しむことができるようになっています。
プロジェクトの概要
このプロジェクトは、株式会社Wが企画し、設計と監理をPEAK STUDIOが担当しました。構造設計はGraph Studio、施工は株式会社伊田工務店が行い、旭化成ホームズもプロジェクトに協力しています。2019年9月に竣工したこの住宅は、敷地面積114.31㎡、建築面積47.20㎡、延べ床面積91.91㎡となっており、場所は神戸市の灘区にあります。これは、新たな住まい方を求める人々にとって、大きな意義を持つプロジェクトだと言えるでしょう。
W Inc.について
未来を創る人々を支える株式会社W(W Inc.)は、日常に創造性やWell-beingを届ける事業や製品の開発を行っています。彼らのビジョンは、人々が自分の願望に向き合い、より豊かな生活を送る手助けをすることです。公式サイトはこちらから:
W Inc.。