FISのアイルランド進出について
フィンテック業界のグローバルリーダー、Fidelity National Information Services(FIS)は、アイルランドでの事業拡大を発表しました。具体的には、今後の2年間でダブリンにおいて100名のテクニカル専門家を採用する計画です。この取り組みは、アイルランド政府の産業開発庁(IDA Ireland)からの支援を受けて進められます。
事業拡大の背景
FISは、金融機関や企業、開発者向けに様々なソリューションを提供しており、その業界における影響力は非常に大きいです。今回の採用では、データサイエンティストやプロダクトアナリスト、ソフトウェアエンジニア、ポートフォリオマネージャーなど、多岐にわたる職種の人材が求められています。また、管理サポート職も含まれる予定です。
アイルランドが選ばれた理由
FISのチーフ・ピープル・オフィサーであるBob Toohey氏はアイルランドの選定理由について述べています。理想的なIT人材の集まる場所として評価されるアイルランドは、特に質の高いエンジニアやクリエイターが多く存在します。さらに、アイルランドがEUの一員であることは、FISにとって非常に重要な戦略的要素とされています。EUの規制やデータガバナンス制度にアクセスできることで、グローバルに成長できるテクノロジーソリューションをゼロから設計する際の環境も整います。
加えて、AIとデータ関連のスキルを持つ人材が豊富であることも、FISにとっての大きな魅力となっています。
アイルランド政府の期待
アイルランド政府のNiamh Smyth大臣は、FISの進出がアイルランドのフィンテック分野の発展を助けるものであると歓迎の意を示しました。「FISの今回の決定は、アイルランドが金融サービスとフィンテック業界の成長に貢献できる場所であることを示しています」と述べています。
また、アイルランド政府産業開発庁のMichael Lohan長官も、AIやデジタル化が経済成長の重要な推進力と位置づけ、FISの投資を心から歓迎しました。彼は「企業に大きなビジネスチャンスが広がっている」と強調しています。
まとめ
FISはアイルランドでフィンテックに注力する企業の仲間入りを果たし、日本総合研究所やMastercard、Citibank、MetLifeなどと共に、地域のイノベーションを牽引することが期待されます。アイルランド政府産業開発庁は、今後もこのような投資を推進していく意向を示しており、FISと共に地域経済をさらに発展させることでしょう。
今後のFISの進展に、フィンテック業界全体が注目しています。