「第16回歯科プレスセミナー」が開催
2025年10月28日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷及びオンラインにて、「第16回歯科プレスセミナー」が行われました。講演およびパネルトークのテーマは「知らないと危険!口腔細菌が全身にもたらす影響とは?」。参加者は約70名に上り、報道関係者等が集まりました。
オープニング
当日のセミナーは、一般社団法人日本私立歯科大学協会の会長・羽村章氏による開会の挨拶からスタートしました。彼は、日本の高齢者が健康で長生きするために歯科医療が果たす重要性を強調し、政府の歯科検診制度の見直しにも言及しました。また、歯科医療が全身の健康にどれほど寄与するかについても触れ、参加者に対して今後のセミナーを楽しみにしていることを伝えました。
基調講演
基調講演は日本歯科大学生命歯学部教授の沼部幸博氏が務め、口腔細菌と全身疾患の関連性について詳しい説明が行われました。彼は、現在約半数の日本人が歯周病であることを示し、その原因がデンタルプラークに含まれる細菌群にあることを指摘しました。歯周病は、その進展により全身の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、国民がこの問題にもっと関心を持ち、予防や適切な治療を受けることの重要性を説きました。
歯周病と全身疾患の関係
沼部氏は、特に糖尿病、心臓病、脳卒中といった疾患が歯周病と関連性があることをデータに基づいて示しました。これらの疾患は、日本人の死因の上位にランクされています。また、血流を介して全身に影響を与える可能性があることから、歯の健康が全身にどれほど重要であるかを強調しました。
パネルトーク
基調講演の後には、パネルトークが行われ、医療者や歯科医師たちが各々の視点から意見を交わしました。宇田川信之氏が司会を務め、羽村亜紀氏、花形哲夫氏、塚崎雅之氏がパネリストとして参加しました。参加者は、歯科医療が高齢者医療や地域医療においてどのように貢献できるかについて議論しました。特に、地方における歯科医師不足や高齢者の口腔健康についての発展的な意見が飛び交い、医科と歯科の連携の重要性が再確認されました。
今後の取組
セミナーでは、歯科医療がただ歯の治療だけではなく、全身の健康を保つためにどう関与できるかに焦点を当て、未来の歯科医療に対する期待が大きく盛り上がりました。さらに、次世代の歯科医師が果たすべき役割についても意見が交わされ、参加者全体での理解促進が図られました。
結論
この「第16回歯科プレスセミナー」は、今後の歯科医療の展望を探る重要な機会となり、口腔の健康が全身の健康に与える影響を改めて認識する場となったのです。セミナーを通じて参加者が介護や福祉との連携の重要性を理解し、今後の歯科医療との新たな関係構築へと繋がることが期待されます。