新たな文学の誕生
本日、待望のデビュー作『救われてんじゃねえよ』が発売されました。著者の上村裕香さんは、介護というテーマを扱った作品を通して、多くの読者に強いメッセージを伝えています。彼女の挑戦的な作品は、窪美澄や東村アキコ、柚木麻子といった著名な作家たちからも支持を受け、多くの書店員たちがその素晴らしさを証言しています。
物語の核心
『救われてんじゃねえよ』は、難病の母を介護しながら高校に通う女子高生・沙智の物語です。作中には、彼女の生活を描いた「救われてんじゃねえよ」、大学生になった沙智の新たな葛藤を描く「泣いてんじゃねえよ」、そしてTV制作会社での働き方に悩む彼女を描いた「縋ってんじゃねえよ」という三つの異なるエピソードが収められています。これらはそれぞれ、彼女が直面している現実や葛藤を描くものです。
上村裕香という著者
上村裕香さんは、2000年に佐賀県で生まれ、現在は京都芸術大学大学院で「近現代文学におけるケア表象」を研究しています。若干24歳でありながら、彼女の筆力は圧倒的で、同年代の作家たちの中でも一際目立つ存在です。彼女は、特に「笑い」を通して人々に感情を伝えようとする姿勢が光ります。
書店員たちの熱い支持
全国の書店員からは、高い評価が続々と寄せられています。福岡の紀伊國屋書店の宗岡敦子さんは、「自由に生きたいと思う気持ちに共感が広がり、相反する感情が心に突き刺さります」と語っています。さらに、幕張蔦屋書店の後藤美由紀さんは「主人公が不憫だからこそ、心を打たれる」といった意見を述べており、本作の力強さを感じさせます。
また、ジュンク堂書店の山ノ井さよりさんは、「2026年の本屋大賞候補として挙げたい」と強く推薦しています。読む者が涙する瞬間も多く、「何かしら頑張っている人に届いてほしい」との声も多く寄せられています。
選考委員たちの推薦コメント
『救われてんじゃねえよ』は「女による女のためのR-18文学賞」での評価も高く、その選考委員たちからも絶賛の声が寄せられています。作家の窪美澄さんは「最も殺傷力の高い文章を書かれる方」と述べ、東村アキコさんも「この作品が持つパワーを感じ、受賞に相応しい」と力強いコメントを残しました。
美しいカバーも話題に
著書のカバーを手掛けたのは若きイラストレーター水元さきのさん。彼女の感性で描かれた沙智のイラストは、作品のテーマに見事に寄り添い、著者自身も「めっちゃ、沙智!」と感嘆しています。今回のコラボレーションは、彼女たちの若き才能がどのように融合したかを示しています。
特設サイトもオープン
新潮社の特設サイトでは、受賞作『救われてんじゃねえよ』の試し読みが公開されています。これにより、読者は作品の一章をまるごと体験でき、作品への期待感が高まることでしょう。公式サイトに訪れて、ぜひ一度その内容を味わってみてください。
書籍データ
- - タイトル: 救われてんじゃねえよ
- - 著者名: 上村裕香
- - 発売日: 4月16日
- - 造本: 四六判、128頁
- - 定価: 1,540円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-356231-3
- - URL: 新潮社