国際的な漁業基準「RFVS」が承認、新たな人権保護の一歩

世界初の承認規格、RFVSの重要性

2023年、船員の人権保護に特化した「責任ある漁船基準（RFVS）」が、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム（CGF）の持続的なサプライチェーンイニシアチブ（SSCI）によるベンチマークプロセスを完了し、世界初の承認を得ました。この承認により、RFVSは海上オペレーション範囲での持続可能性の基準となり、国際的な漁業における人権保護の重要性が一層強調されることになります。

RFVSの背景と特徴

RFVSは、漁船の運営における船員の権利や健康、安全を守るために設立された基準です。具体的には、船員に対して適切な訓練を提供し、安全で快適な作業環境を確保し、給与や食事、休息が保障されることを求めています。この基準は、漁業労働条約などの国際基準を根拠にしており、船員の人権確保に対する取り組みが重視されています。

SSCI承認までの道のり

持続的なサプライチェーンイニシアチブ（SSCI）は、業界の主要なステークホルダーが定義した持続可能性基準を評価するための枠組みです。RFVSがSSCIの承認を受けることで、漁業界全体の持続可能性基準に対する信頼性が向上し、業界が直面する多くの課題に対して信頼できる指針となることが期待されています。

特に、CGFのサステナビリティディレクターであるディディエ・ベルジュレ氏は「RFVSが持続可能性の向上を促進し、業界全体にリーダーシップを示すことを喜ばしく思います」と述べています。彼は水産業が直面する多くの問題において、認証制度が重要な役割を果たすと強調しました。

業界への影響

RFVSの承認は、世界中の漁船にとって信頼性の向上を意味します。これにより、消費者に対しても漁業製品の持続可能性が保証されるため、より良い選択を促すことができるでしょう。RFVSは、グローバル・シーフード・アライアンス（GSA）が運営する第三者認証プログラム「ベスト・シーフード・プラクティス」にも組み込まれており、業界全体の取り組みに貢献しています。