香りとデジタルが織りなす新体験
SCENTMATIC株式会社が開発した香りと言葉を結ぶAIシステム「KAORIUM」が、2024年度のグッドデザイン賞を受賞した。このユニークなシステムは、私たちの嗅覚に新たな次元を加えるものであり、香りの体験をデジタル化することで新しい顧客体験を提供することを目指している。
KAORIUMの特長
「KAORIUM」は、香りの特性を分析し、それを誰にでも理解しやすい言葉で表現することができるインタラクティブなサイネージシステムだ。利用者はシンプルなUIを通じて、香りと遊び心のある対話を楽しむことができる。このシステムの利用方法は非常にシンプルで、コースターに香りを置くとその香りに関連する言葉が表示され、タッチすると関連する香りボトルが強調表示される仕組みになっている。
このプロセスではRFID技術が活用されており、香りとデジタル情報がシームレスに結びついている。これにより、ユーザーは香りに対する理解を深めつつ、新しい香りとの出会いを楽しむことができる。
グッドデザイン賞の評価
グッドデザイン賞の審査員たちは、KAORIUMが香りの特徴を言葉にすることに挑戦している点を高く評価した。香りは本質的に非言語的ですが、本システムはそれを言語化し、ユーザーが香りの特性をより容易に理解できるように工夫されている。また、自然言語処理技術を駆使することで、難解な表現が平易な言葉に変換され、スムーズな体験が促進されている。
体験の深化
KAORIUMはただ単に香りを体験するのではなく、言葉を通じて香りの深みを味わうことができる。これにより、左右の脳を活性化させることで、新しい感覚に気づく手助けをしている。このようなインタラクション設計によって、ユーザー同士のコミュニケーションも自然に生まれる。これは、香りの体験がより豊かになり、相互に共有する機会を提供するという評価を受けた要因でもある。
SCENTMATIC株式会社のビジョン
SCENTMATICは、2019年に設立され、香りのデジタル化を通じて新たな体験価値を提案することを目指している。代表の栗栖俊治氏は、香りと共に人々の感性を進化させることで、さまざまな業界に革新をもたらす可能性を信じている。その活動は、デジタルとフィジカルをつなぐ新たなビジネスモデルの創出に寄与している。さらに、KAORIUMのようなプロダクトを通じて、より多くの人に香りの世界を楽しんでもらえることを願っている。
まとめ
香りと言葉を結ぶ革新的なAIシステム「KAORIUM」の受賞は、香りの体験が次なるステージに進化していることを意味している。今後もSCENTMATICの取り組みに期待が寄せられる。