コンテチーズと珈琲の魅力を再発見するセミナー
11月20日、OGAWA COFFEE LABORATORY 下北沢にて「コンテチーズと珈琲のペアリングセミナー」が行われました。このセミナーは、フランスの熟成ハードチーズ「コンテ」をより多くの人に知ってもらおうと、コンテチーズ生産者協会が主催したものです。
講師として登場したのは、チーズの専門家である村瀬美幸氏と珈琲の専門家である吉川寿子氏。彼らはそれぞれの視点からコンテと珈琲の特性と魅力を参加者に伝えました。まず、村瀬氏はコンテの概要と、8か月、12か月、18か月熟成の3種類のコンテを比較するテイスティングを行いました。
各コンテの魅力
コンテ8か月以上熟成
最初に試食したのは2023年10月に製造された8か月以上熟成のコンテ。柔らかなミルク風味が特徴で、しっとりとした食感。鼻に抜けるキャラメルやナッツのアロマがぴったり合い、吉川氏が選んだコスタリカ・マチョコーヒーとの組み合わせが抜群に相性が良く、まるでカフェオレのような風味を楽しむことができました。このペアリングは朝食にぴったりとのことです。
コンテ12か月以上熟成
次に提供されたのは、2023年2月製造の12か月熟成コンテ。干し草を食べた乳牛から作られたため、白っぽい色合いと穏やかな風味が特徴。芳醇な旨味とスパイシーさが感じられ、料理や昼食にも適した味わいです。ナチュラル精製のエチオピアのコーヒーが添えられ、そのフルーティーな酸味がコンテの風味を一層引き立てます。
コンテ18か月以上熟成
最後に試食したのは2022年8月製造の18か月熟成コンテ。カロテンの影響で濃い黄色を持ち、ビターチョコレートのような複雑な風味と凝縮された旨味、シャリっとしたアミノ酸の結晶で長い余韻が楽しめます。コーヒーはエルサルバドルのロスアルペスWを用意し、ハイビスカスや蜂蜜の甘さがチーズの濃厚さを引き立てます。仕事の後に蜂蜜や無花果、ナッツと共に楽しむのが理想的なペアリングです。
追加の味わい
さらに、焼いたバゲットに削った8か月熟成のコンテを乗せたチーズトーストも好評で、参加者たちから大絶賛を受けました。
コンテの魅力とは
「コンテ」はフランスのジュラ山脈一帯で作られる伝統的な熟成ハードチーズ。ナッツの香ばしさや柑橘系のフルーティーさ、深い旨味など、各種の個性が楽しめます。フランスで最も生産量の多いAOP認定のチーズであり、幅広い世代に親しまれています。
このセミナーを通じて、コンテチーズ生産者協会は今後もコンテの多様な魅力を伝えていくことを約束しています。日本でもチーズ愛好家の間で次のブームを生む予感が広がっており、今回はその第一歩となったかもしれません。