岐阜県飛騨市でオンライン診療の実証実験が始まる
岐阜県飛騨市にあるMRT株式会社は、同市の委託を受けて2025年1月より、茂住地区におけるオンライン診療の実証実験を開始します。この取り組みは地域住民の医療機関へのアクセス向上を目指しており、特に少子高齢化が進む地域において医療の質と効率性を高めることが期待されています。
飛騨市の現状と医療課題
飛騨市は岐阜県の最北端に位置する小さな市であり、22,000人の人口を抱えています。しかし、近年は深刻な人口減少と高齢化が進行中です。特に、茂住地区は市街地から約20分ほど離れた場所にあり、人口はわずか30人ほど。地域の医療は飛騨市民病院が担っていますが、医師不足という大きな課題に直面しています。
そんな中、飛騨市民病院は地域包括医療ケアを実践しながら、研修医の受け入れや看護師のスキル向上を図っており、効率的な医療資源の活用を目指しています。今回のオンライン診療の導入は、地域住民がより簡単に医療を受けられるようにするための一手として位置づけられています。
オンライン診療の具体的な取り組み
今回の実証実験では、オンライン診療システム「Door.」を活用し、飛騨市民病院と神岡地区の住民を結びつけます。また、看護師が現地に出向いて地域住民をサポートする「DtoPwithN」方式を採用。診療後は処方箋がかかりつけ薬局に送信され、薬局でのオンライン服薬指導の後、薬の配送が行われる流れとなります。
この取り組みは、地域住民が必要な医療サービスにアクセスしやすくするだけでなく、オンライン診療自体の効果を測定する良い機会でもあります。MRTは、これまでに過疎地域における医療DXの構築で培った知見を活かし、地域に最適な医療体制を整えていく考えです。
今後の展望と地域住民への期待
MRTはこれまでに全国約100の自治体との協力を経て、地域医療の課題解決に貢献してきました。今回の実証実験を通じて、地域住民からのフィードバックをしっかりと考慮し、効果的なオンライン診療サービスの展開を目指します。オンライン診療の利便性の向上は、特に医療アクセスが限られた山間地域や過疎地域において重要な施策であり、MRTは快適に医療を受けられる社会実現に向けて努力を続けます。
MRTは、2025年1月からの実証実験を通じて、地域医療の拡充に貢献することを目指しています。地域住民の健康を守るため、オンライン診療がどのように役立つか、今後の進展が期待されます。