カスペルスキー製品の2024年における不正サイトブロックの現状
2024年、カスペルスキーのセキュリティ対策チームは、同社の製品がフィッシングや詐欺、悪意のあるメールに対抗してネガティブなウェブサイトへのアクセスを約9億回ブロックしたと発表しています。この数字は、前年の7億1千万回から増加し、前年比で26%の増加が見られました。
特に注目すべきは、ブロックされた不正サイトが有名ブランドを偽装するものであったことです。Booking.com、Airbnb、TikTok、Telegramなど、名の知れた企業を狙ったフィッシング攻撃が多数報告されています。特に夏の休暇シーズン中、旅行者を狙った詐欺が急増し、偽の航空券や宿泊予約の提供が行われました。これらの攻撃の目的は、主に認証情報の窃取やマルウェアのインストールです。
フィッシングサイトへのアクセス状況
具体的には、カスペルスキー製品は2024年に898百万回以上のフィッシングサイトへのアクセスをブロックしました。さらに、この増加傾向は休暇時期に特に顕著で、贈り物やレジャー目的でウェブを利用する人々を狙った詐欺が多発しています。実際、攻撃者はTikTokのような人気プラットフォームの偽のログインページを作成し、ユーザーの認証情報を盗もうとする手口を使用しています。
不正メールとスパムの現状
また、カスペルスキーの製品は2024年に悪意のある添付ファイルを含むメールを約1億2,500万回ブロックしました。これらのメールは、企業を狙った攻撃が多く、パスワードで保護されたアーカイブや、無害な画像に見せかけたスクリプト形式の画像などが含まれています。攻撃者は、偽の裁判所からの通知や架空の取引を装ったメールを使用して、企業にリスクを意図的に誘発させようとしています。
加えて、送信されるスパムメールの約47%は無用な広告や迷惑メッセージで埋め尽くされているとの調査結果もあります。特に企業向けのスパムメールには、AI関連のプロモーションやウェビナーの広告が多く見られ、非常に雑多な内容となっています。スパムメールの発信元としては、ロシアや中国、アメリカなどが上位にランクインしています。
セキュリティへの注意喚起
カスペルスキーのセキュリティエキスパートであるオルガ・スヴィストゥノヴァ氏は、攻撃者がその手法に関して常に新しい方法を模索していると警告しています。特に、AIを駆使した偽サイトの制作が進んでおり、ますます識別が難しくなっています。そのため、利用者はより強固なサイバーセキュリティ対策を講じ、常に警戒を怠らないことが必要です。
このように、2024年のカスペルスキーによるセキュリティ対策は、フィッシングや悪意のある攻撃への高まりを示しており、特に企業や個人にとって、サイバーセキュリティの重要性が増しています。最近の調査や報告をもとに、今後とも注意深い行動が求められるでしょう。