シャープファイナンス、審査部門のAI活用で業務改革を推進
はじめに
シャープファイナンス株式会社は、AIを活用して審査部門の業務プロセスを改革する取り組みを始めました。これは、業務改善コンサルティングやシステム開発を行う株式会社taiziiiへの依頼によるもので、独自のAIエージェント『SkillRelay』を導入することが決定されました。この新しい取り組みによって、審査プロセスにおける属人化の解消、判断基準の統一、業務の効率化が期待されています。
導入の背景
シャープファイナンスでは、審査部門においていくつかの案件は自動判定が行われていましたが、大半は担当者が個別に精査していました。しかし、その判断は担当者の経験によるもので、知識の組織的な共有が難しくなっていました。特に、熟練者の退職が進む中で、彼らの経験則や判断根拠を形式知として残すことが急務となっていました。このままでは、若手社員に対する教育や審査の標準化が困難になる恐れがあるため、AIを通じた知識継承が求められました。
SkillRelayの導入
株式会社taiziiiは、シャープファイナンスの課題解決に向けて、『SkillRelay』を導入することにしました。このシステムは、AIがインタビュアーとして機能し、ベテラン社員と対話することで、暗黙知を明らかにします。教える側は特に時間を取らずに情報を共有でき、AIが自動的にノウハウを整理します。これにより、重要な情報の漏れや抜けを削減し、質の高い知識の継承が図られます。
導入のステップ
取り組みは以下の3つのステップで進められます。
1.
AI × 対話によるヒアリング: ベテラン審査担当者に対して、従来言語化されていなかった判断基準や例外対応ルールを深く聞き取ります。
2.
知見の整理と可視化: 抽出した知見を他の社員が理解できる形に整理し、審査プロセスのフローを可視化します。
3.
AIエージェントの構築: ベテランが行う判断基準をAIが参照できるようにし、サポート体制を作ります。
期待される効果
この取り組みを通じて、次のような効果が期待されています。
- - 審査判断の標準化を進め、判断基準を全社で共有。
- - ヒアリングや確認作業の手間を減らし、業務効率化を実現。
- - 余剰リソースを他の業務へシフトし、審査精度や機会損失の拡大を防止。
- - 統一された判断基準によって、経営への貢献度を向上させる。
コメント
シャープファイナンスのDX戦略企画部部長、織田豊久氏は、「このシステムを導入することで、経験の浅い社員でも案件に対する判断ポイントを把握でき、審査品質の維持や生産性向上が期待できる」とコメントしています。また、taiziiiの代表取締役、加藤晃寿郎氏も「この取り組みが属人化の解消や審査品質の平準化に寄与し、さらには未来の高度な審査体制の構築につながると確信している」と述べています。
おわりに
シャープファイナンスのAI導入により、業務効率化と継続的な品質向上の取り組みが進む中、金融業界全体にもポジティブな影響が期待されます。このような新しい技術を取り入れることで、社員の知識を組織全体にネットワーク化し、さらなる成長を促進することができるでしょう。