Earth hacksが描く脱炭素社会の未来
近年、環境問題が深刻視される中、脱炭素生活を推進する活動が求められています。1865年に設立されたEarth hacks株式会社は、一般生活者と共に新たな脱炭素社会の実現を目指しています。東京都渋谷区に本社を構える同社は、「The POSITIVE ACTION Initiative」(以下、PAI)というプロジェクトを立ち上げ、環境省と連携して脱炭素に向けた新しい生活様式を提案しています。
PAIの始動と目的
昨年の5月に発足したPAIは、生活者の脱炭素行動の促進を目的とし、新たな豊かな暮らしを実現することを目指しています。具体的には、脱炭素に向けた行動の効果をデータベース化し、社会全体での実装を推進します。生活者自身の声をもとにしたこの活動は、脱炭素関連商品やサービスの開発につながることを意識しています。
データベース「デコ活データベース」の作成
プロジェクトの一環として、Earth hacksは生活者が実践する脱炭素行動のCO₂削減効果を中心にまとめた「デコ活データベース」を構築しました。このデータベースは、生活者が日々行う行動ごとに、CO₂排出量の差を示すものとして作成されています。具体的には、約100種類の脱炭素に寄与する行動をリストアップし、それぞれの行動のCO₂削減効果の具体的な数値を算定することで、今後の行動改善に役立てようというものです。
このデータベースは「カーボンフットプリントガイドライン」をもとにしており、指標とした行動がどれほどのCO₂排出量を削減するのかが分かりやすくなっています。例えば、マイバッグやリユース容器の利用など、日常に取り入れやすい行動が中心となっています。
デコ活データベースの公開とその意義
デコ活データベースは、一般的に公開されており、企業や団体が消費者の脱炭素への取り組みを促進するために活用できる仕組みです。これにより、企業が提供するサービスの中で脱炭素行動を促す新たな取り組みが広がることが期待されています。具体的な成果物としては、データベースのExcelファイルやその利用のイメージを示した資料も公開されています。
今後の展開
PAIは今後も各企業でのデコ活データベースの活用をすすめ、さらなる生活領域での脱炭素行動の実装を目指します。生活者のインセンティブを設計し、環境に配慮した商品やサービスが一般化するよう、関係各所とディスカッションを行いながら進める予定です。また、プライバシー保護にも配慮しながら、テクノロジーを活用した新たな取り組みを模索します。
Earth hacksの全体像
Earth hacksは、Z世代を含む全ての生活者に対し、環境への取り組みを身近に感じてもらうためのプラットフォームを提供しています。自分のライフスタイルに合わせたエシカルな商品の情報や、脱炭素に向けた活動を楽しみながら行える環境を整えています。また、ビジネスコンテスト「デカボチャレンジ」を通じ、企業と学生の共創を促進するなど多方面で活動しています。
まとめ
デコ活データベースを通じたEarth hacksの取り組みは、脱炭素社会の実現に向けた一歩です。生活者が自らの行動が環境に与える影響を認識し、実行に移すことで、持続可能な社会を共に形成していけるのです。脱炭素という理念を、私たちの生活の中でどう実現していくか、今後の展開が非常に楽しみです。