牛個体識別台帳電算システムの刷新プロジェクト
株式会社クロスキャットが独立行政法人家畜改良センターの牛個体識別台帳電算システムの刷新プロジェクトを支援することを発表しました。この取り組みは、約20年間にわたって運用されてきた現行システムの老朽化や運用の複雑さを解決し、牛肉の食の安全性を一層高めることを目的としています。
プロジェクトの背景
家畜改良センターが運営する「牛個体識別台帳電算システム」は、2003年に制定された「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」に基づき構築されました。以来、暫定的な改修と機能追加が続けられ、多くの課題が浮き彫りになっていました。主な問題としては、ハードウェアの劣化、複数のデータベースによる煩雑さ、様々な障害の発生がありました。
新システムの特徴
今回のプロジェクトでは、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を基盤とした統合データベースの構築とウェブシステムの導入が進められます。これにより、データの一元管理が実現され、業務の効率化が期待されています。また、将来的なシステムの拡張性や保守性も向上する見込みです。
システムは2026年3月の稼働を予定しており、クロスキャットはこのプロジェクトを通じて得られる成果が畜産業界全体に貢献すると考えています。
具体的な実施内容
本プロジェクトには以下のような主な内容があります:
- - OCIインフラ環境の構築
- - Oracle Autonomous AI Transaction Processingに基づく統合データベースの整備
- - 既存データベースとの双方向データ連携方式の実装
- - ユーザー情報を一元管理するアプリケーションの開発
- - 情報管理システムのJavaを用いたアプリケーション開発
これらの取り組みによって、サイロ化したデータベースが集約され、煩雑な業務運用が改善されます。プロジェクト責任者の野田靖宏氏は、サイロ化したデータの集約を通じて、家畜改良センターと密なコミュニケーションを保持し、システム設計を進めてきたと語ります。
DX推進支援フレームワーク「CC-Dash」
クロスキャットが運用する独自のDX支援フレームワーク「CC-Dash」もこのプロジェクトに活用されています。このフレームワークは、データを活用して顧客のDXを支援するもので、様々な課題解決に向けたテンプレートやコンサルティングサービスを提供しています。顧客のニーズに応じて、アライアンスを通じたソリューションサービスも随時拡充されています。
会社概要
クロスキャットは、1973年に設立され、システム開発やBIビジネス、自社プロダクトの開発を行っている企業です。代表取締役社長の山根光則氏が率いるこの会社は、東京証券取引所のプライム市場に上場しています。公式サイト(https://www.xcat.co.jp/)では更に詳細な情報が提供されています。
今後もクロスキャットは公共性の高い業務を支えるために、先端技術を活用したDX支援を推進していく予定です。