スマートグラスとごみ収集
2025-12-15 15:58:26

次世代スマートグラスがもたらすごみ収集の可視化と効率化

スマートグラスで次世代のごみ収集を見える化



2026年1月から、滋賀県と東京都で繰り広げられる新たな取り組みが注目を集めています。この取り組みは、スマートグラスとAI画像解析を組み合わせた「ごみ収集量可視化プラットフォーム」の実証実験です。この革新的なシステムは、家庭ごみ収集の現場での課題解決を目指しています。

現場の課題


ごみ収集の現場では、数百箇所に設置されるごみステーションを巡回し、限られた時間内での作業が求められます。従来、作業員は「収集した」・「収集していない」といった最低限の情報しか記録しておらず、正確な収集量を把握することは困難でした。これにより、自治体は申告に基づいてステーションの設置を続けざるを得ず、結果として過剰なステーションや不足しているステーションが混在する問題を抱えています。

新たな収集DXプラットフォーム


滋賀新聞GovTechイノベーションズ株式会社と有限会社アナログエンジンによる新システムの導入により、スマートグラスを使ったワンタップによって自動的にごみ収集量が記録されます。作業員はステーション前でごみを視認し、スマートグラスをタップするだけで、AIがごみの量や種類を判断し、位置情報と共に日報に自動記録。これにより、手入力や面倒な報告書作成が不要になるのです。

スマートグラスとは?


スマートグラスは、カメラやディスプレイ、通信機能を備えた眼鏡型デバイスで、作業員が手を使わずに情報を取得するためのウェアラブル端末になります。情報が視界に重ねて表示されるため、現場作業の負担軽減に寄与します。

収集量のデータ活用


このプラットフォームの最大の特徴は、単なる記録ツールにとどまらず、自治体全体のごみ収集インフラを再設計することができる点です。AIによって収集量データを蓄積し、各自治体の廃棄物総量に対し、ステーションがどれほど貢献しているかを数値化します。これにより、居住形態や人口動態に合った適切なステーション数を算出でき、過剰・不足の問題を数値的に解決する手助けとなります。

独自AIモデルの開発


初期はクラウドサービスを利用しますが、同時にごみ特有の特徴を捉えるための独自AIモデルが開発中です。このAIは、ごみの形状や材質、色、さらに袋が膨張する具合を分析し、ごみの量を正確に予測する技術を持ちます。例えば、ステーションの内部状況を推測し、見えない位置に隠れた袋の数を算出することが可能です。

実証実験と今後の展望


2026年1月の実証実験開始から、春にはAIモデルの精度向上を図り、夏には東京ビッグサイトでの正式リリースを予定しています。さらに、全国の自治体向けにこのプラットフォームを提供し、持続可能なごみ収集を実現する計画です。

この取り組みは、現場仕事と行政、ビジネスの架け橋となり、環境問題に立ち向かうための革新を追求します。これまで依存していた申告方式を脱却し、科学的根拠に基づいたごみ収集の最適化を目指しています。自社サーバーとのハイブリッド構成も重視し、地域ごとの特性や規模に応じた最適な運用が可能に。持続可能な地域社会の実現につなげるためのステップを着実に進めています。

会社情報

会社名
滋賀新聞GovTechイノベーションズ株式会社、有限会社アナログエンジン
住所
電話番号

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