名古屋の特別展「尾張徳川家の雛まつり」
名古屋の徳川美術館では、毎年恒例の特別展「尾張徳川家の雛まつり」が開催され、今年で39年目を迎えました。この展覧会は、早春の訪れを告げる風物詩として、たくさんの家族連れが訪れます。
展示内容と魅力
今年の展示では、明治・大正・昭和の三世代にわたる尾張徳川家の当主夫人たちの雛人形や雛道具が飾られた、圧巻の大雛段飾りが目を引きます。その高さは2メートル、幅は7メートルにも達し、見応えのある巨大な作品です。
江戸時代から近代に至るまで受け継がれた、この特別な雛飾りは、ただ美しいだけでなく、大名家の格式を物語っています。具体的には、江戸時代の姫君が所持していた有職雛や、婚礼調度の精緻なミニチュア雛道具などが並び、親から子への深い想いが込められています。
特に注目すべきは、尾張家14代慶勝の正室・矩姫が所用した「有職雛」です。彼女は幕末から明治にかけての tumultuous な時代を生き抜いたお姫様で、その雛人形は公家装束に基づいて細かく作られており、高い芸術的価値があります。
伝統と文化の深掘り
また、雛人形と共に展示されている「お嫁入り道具」の比較も見どころです。例えば、姫君が実際に使用した婚礼調度と、そのミニチュア作品が並べられ、時代や文化を感じさせる深い意味を持っています。雛人形は姫君自身の分身とされており、そのために特別な道具が誂えられました。展示を通じて、雛まつりがどのように歴史の中で受け継がれてきたのかを感じることができます。
大雛段飾りの魅力
尾張徳川家の大雛段飾りは、雛段だけでなく、着せ替え可能な抱き人形や動物を模した毛作り人形も数多く展示されており、一つ一つに細やかな美意識が注がれています。飾りつけには多くの時間がかかり、そのスケール感や美しさは、訪れる人々を圧倒します。
さらに、今年は初公開となる豊島家の雛人形も展示されます。この雛人形は名古屋の豪商・富田家で誂えられ、伝統技術で作られた愛らしい木彫りの人形です。有職文様を用いた平面には家紋が配され、格式ある舞台の一部として華を添えています。
雛まつりの歴史
雛まつりの起源は、古代中国にさかのぼります。3月最初の巳の日に穢れを払う行事が起源となり、これが日本に伝わり、平安時代には宮廷行事として定着しました。「上巳の節供」として行われたこの行事は、様々な民俗信仰と結びつき、現在の雛まつりの形となりました。もちろん、徳川美術館でも尾張徳川家の伝統に基づき、旧暦にあたる4月上旬まで「尾張徳川家の雛まつり」を開催しています。
展覧会概要
開催期間
2026年2月7日(土)から4月5日(日)まで
開館時間
10:00から17:00(最終入館は16:30)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌火曜日に休館)
会場
徳川美術館本館展示室
料金
一般1,600円(割引あり)、高大生800円、小中生500円(高校生以下は土曜日無料)
この特別展は、春の訪れを感じながら、尾張徳川家の歴史と文化を直に体験する貴重な機会です。是非、お見逃しなく!