久留米市が新たな支援プロジェクトを発表
福岡県久留米市は、地域の課題に十分に対応するため、ふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」による寄付の募集を2024年10月1日から開始することを発表しました。目標金額は980万円で、市民活動団体の活動資金を支援することを目的とした5つのプロジェクトが立ち上がります。
GCFの背景
久留米市は400近くの市民活動団体が活動しており、地域の様々な課題に対して市民が主体となって解決に取り組んでいます。これらの団体は、子どもや高齢者の支援、貧困や障害者への支援、地域活性など多岐にわたる活動を行っていますが、人口減少や公助の縮小などの影響で、活動資金の不足が深刻な問題になっています。GCFを活用することで、地域の課題解決へ向けた行動を促進し、市民活動団体の認知度向上や支援者獲得につなげることが期待されています。
GCFの仕組み
このGCFの特徴は、寄付を行う際に寄付者が具体的な「使い道」に共感を持てる点にあります。自治体が地域課題を公表し、寄付者はその課題と解決策を認識することで、寄付先についてより具体的な選択が可能となります。これにより寄付者は継続して地域に関心を持ちやすくなり、地域ファンの増加にも寄与することが期待されています。
2013年に立ち上げられたGCFは、年々利用者数が増えており、2024年4月時点で実施されたプロジェクト数は約2,660件、寄付総額は176億円を超えました。この仕組みは「2019年度グッドデザイン賞」も受賞しています。
プロジェクトの詳細
以下の5つのプロジェクトでは、それぞれ異なる地域課題に取り組みます。募集期間はすべて2024年10月1日から12月31日までとなります。
1.
田主丸地域の子ども支援
発表されたプロジェクトの一つは、豪雨災害による影響を受けた田主丸地域において、学習支援や食事支援などを行い、困難を抱える子どもたちの「居場所」を作ることを目指しています。目標金額は220万円です。
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2.
「リリボン」プロジェクト
血縁のない世帯がともに過ごす場所を維持するための「リリボン」商品開発に取り組むプロジェクトもあります。目標金額は250万円です。
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3.
認知症支援の拡充
認知症に苦しむ人やその家族の支援のために、相談室やカフェを拡充させるプロジェクトでは、240万円を目指しています。
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4.
伝統文化の継承
福岡県指定の無形民俗文化財である「花火動乱蜂」の存続を目指し、安全な運営資金を集めるプロジェクト。目標金額は130万円です。
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5.
懐メロを利用した健康促進
健康寿命を延ばす活動として、懐かしのメロディを歌って楽しむプロジェクトに140万円が求められています。
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これらのプロジェクトは、地域の未来を支える大切な取り組みです。市民の方が少しでも関心を持ち、参加することが地域の活性化につながります。
まとめ
福岡県久留米市は、地域の課題に対する迅速かつ柔軟な対応を求められる中、GCFを活用した新たな資金調達の仕組みで、多くの市民活動団体への支援を開始します。地域課題に対する理解を促進し、寄付者との関係を深めるこの取り組みは、地域全体の活性化にもつながることでしょう。市民の皆さんは、この機会にぜひプロジェクトに目を向け、未来の久留米市を共に支えましょう。