マイナビライフキャリア実態調査2025年の結果分析
現在の日本において、少子化問題は深刻な課題として浮かび上がっています。それに伴い、株式会社マイナビが発表した「マイナビライフキャリア実態調査2025年」の結果は注目を集めています。この調査は、20代から50代の未婚者と既婚者を対象にしており、結婚観や子育てに関する意識を探るものです。
20代未婚者の結婚観と子どもに対する意識の変化
調査によれば、20代未婚者における「結婚は必要だと思う」という回答は、わずか48%と前年よりも大幅に減少しています。さらに、「子どもが欲しい」と答えた割合も39.7%と、こちらも2年連続での減少が確認されました。特に経済的負担がネックになっていることが多く、多くの20代が子育てによる金銭的なリスクを懸念しています。
「育てる自信がない」という声も多く、これは育児の難しさや社会的なサポートの不足を反映していると言えるでしょう。経済状況が将来への不安を生んでおり、安心して子どもを持つことが難しい環境にあるのは、非常に憂慮すべき現象です。
正社員と非正規社員の子育てに関する実態
また、正社員と非正規社員の間で子どもを持つ割合には明らかな違いがあります。非正規社員の女性は76.6%が子どもを持っている一方で、正社員は64.4%に留まっています。このことから、非正規雇用の女性が選択肢として早期に出産を選んでいるという現実が浮かび上がります。加えて、正社員の女性は家事・育児に充てる時間が平均4.5時間と、非正規との間では大きな違いがないことがわかります。
働き方と希望する勤務時間
子どもを持つ正社員女性の72.1%が「勤務時間を減らしたい」と回答しており、これは非正規社員よりも高い割合です。一方で、非正規社員は「もっと働きたい」という意欲を示しているところも見逃せません。これは、正社員に比べて時間的な自由度や柔軟性が制限されている環境に由来するものでしょう。特に、思うような時間を持ちたくとも持てないという心理的要因も影響しているのかもしれません。
支援制度の必要性
調査では、子どもを持つ正社員女性の76.9%が周囲からの支援やサポートを必要としていると感じています。特に、育児においては、周囲の手助けが強く求められている現状が浮き彫りになりました。2人に1人以上が、パートナーに育休を取得してほしいと考えている点も注目です。これは、家族全体で育児を担う責任をシェアする意思が強まっていることを意味します。
結論と今後の展望
マイナビの調査結果からは、少子化の根本的な問題が浮き彫りになっています。経済的な不安や育児に対する自信の欠如、また支援制度の不足が、子どもを持つことへの障壁となっているのがわかります。今後、企業や社会全体でこれらの問題に取り組む姿勢が求められるでしょう。特に、柔軟な働き方や育児支援制度の整備が、未婚者や働く女性の意識を変える可能性があります。やがて、出産や育児が安心して行える社会へと変わっていくことが期待されます。