埼玉県横瀬町では、株式会社ココロミルが提供するウェアラブル心電計を活用した「ホーム心臓ドック®」の実証実験が、2024年1月から行われています。この取り組みは、町民の健康寿命延伸と介護離職回避を目指し、官民連携プラットフォーム「よこらぼ」の一環として実施されています。
実験では、50~70歳で就労世代の子を持つ町民66名を対象に、1回目の検査を実施した結果、61%にあたる40名に不整脈の兆候が見つかりました。この中には、重大な疾患や突然死につながる可能性のある危険な不整脈も含まれていました。
特に60代では、注意が必要な不整脈の罹患率が6割を超えており、自治体による健康調査において、検査対象年齢を検討する上で重要な指標となる可能性が示されました。
危険な不整脈が見つかった方には、適切な医療機関への受診勧奨が行われ、横瀬町役場の保健師とも連携し、受検者が自治体窓口に相談に来られた際も、医療機関へのスムーズな受診につなげられる体制を整えています。
今回の実証実験は、中期的な目標として、対象者を絞った上でより広範囲に検査を提供できる体制作りを目指しています。また、包括連携協定の締結による検証の加速も視野に入れ、将来的には横瀬町での事例を全国の自治体へ展開し、医療費削減および要介護人口の減少を目指しています。
「ホーム心臓ドック®」は、手のひらサイズの心電計を胸部に装着し、9~24時間にわたって心電図データを取得することで、健康診断や人間ドックでは発見できない、隠れた心疾患を早期発見することが期待できます。
株式会社ココロミルは、「病気で後悔しない社会へ」というミッションを掲げ、このサービスを提供しています。今後は、取得したデータを活用し、個人の健康状態を可視化することで、健康寿命とQOL(クオリティオブライフ)の向上に貢献し、多くの人が大切な人と幸せに過ごせる時間を増やしていくことを目指しています。