新たな3Dシミュレーションツール「XVL動的シミュレーション」
2025年6月23日、ラティス・テクノロジー株式会社が新しい3Dシミュレーションツール「XVL動的シミュレーション(XDS)」を発表しました。このツールは、設備開発における課題を可視化し、検証するための革新的なソリューションです。特に、設備の設計段階での干渉チェックやタイミングの検証を行い、スムーズな立ち上げと工期の短縮を支援します。
自動化と効率化が求められる製造業
近年の製造業では少量多品種や短納期に対応する必要が高まっており、設備導入の迅速化と柔軟化が求められています。しかし、従来の設計方法では2D図面や静的な3Dモデルのみで、実際に設備を動かすまで問題点に気づかないことが多いのです。そのため、据付時の手戻りや工程遅延が発生していました。
XDSは、このような課題を解決するために設計されました。設備、作業者、製品の動きを1サイクル単位で可視化・検証し、ガントチャートを用いた直感的な操作が可能です。また、XVL VRやヒューマンモデルと連携することで、作業者の視点での安全性評価も実現します。
XDSが解決する具体的な課題
1.
干渉の発見: 従来は、設備導入後に干渉が発覚することが多く、設計段階での動的干渉チェックが重要です。XDSでは、設備や製品、作業者の動きを時間軸に沿って再現できるため、初期段階での干渉発見が可能になります。
2.
動作タイミングの不整合の解消: ラインを事前に検証したとしても、動作タイミングが合わないという問題が起きがちです。XDSのガントチャートを利用することで、複数設備の動作を一元的に管理し、視覚的に確認できます。これによって、関係者同士の認識のズレを防ぐことができます。
3.
据付後の調整コストの低減: 据付後に調整や手戻りが発生することはプロジェクトのコストや工期に悪影響を及ぼします。XDSは、仮想空間で作業性や安全性を評価し、実際の設備導入前にリスクを軽減します。
展示会でのデモを通じての理解促進
この「XVL動的シミュレーション」は、2025年7月16日から18日まで愛知県のAichi Sky Expoで開催される「人とくるまのテクノロジー展2025 NAGOYA」で展示される予定です。この展示会で、実機レスの動作検証や安全性評価のデモが行われる予定で、参加者は製造現場での適用イメージを具体的に理解できる機会を提供します。
今後の展望
ラティスは、XDSを通じて設備開発の初期段階から動的な課題を可視化し、現場での手戻りを防ぐスマートな検証プロセスの構築を支援していく予定です。工程設計の精度とスピードの両立を実現し、製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する重要な役割を果たすでしょう。
製品詳細
- - 名称: XVL動的シミュレーション(XDS)
- - 価格: 1ライセンス380万円(税別)
- - リリース日: 2025年6月23日
- - 公式サイト: XDS製品サイト
この革新的なシミュレーションツールにより、製造業の課題解決が進むことが期待されます。今後の展開にもぜひご注目ください。