別府のオンセンゴマツボ再発見
2022-11-10 09:52:39
約60年ぶりに発見された別府の貴重な淡水巻貝「オンセンゴマツボ」
日本一のおんせん県、大分の驚きの発見
大分県は日本で有名な温泉地として知られていますが、その中心の一つである別府市亀川において、約60年ぶりに淡水巻貝「オンセンゴマツボ」が再発見されました。この小さな巻貝は、唯一無二の存在であり、その生態や環境適応に関する新たな研究が期待されています。
オンセンゴマツボとは
オンセンゴマツボは約4mmほどの大きさを持つ淡水性の巻貝で、特に温泉水が流れる水路に生息しています。この巻貝は、1962年に九重町の宝泉寺温泉で新種として記載され、その後、別府市の亀川でも確認されました。しかし、1967年にはその姿を消してしまったと考えられていました。
生存環境と絶滅危惧
この種は現在、大分県の九重町と由布市のみに生息し、環境省のレッドデータブックには#絶滅危惧I類としてリストされています。また、大分県の法律により希少野生動植物として保護されています。この巻貝が生息できる環境は非常に限られており、温泉水に依存していることからも、その独特な生態系が危機的であることが分かります。
60年ぶりの再発見の背景
2022年、NPO法人北九州・魚部が亀川地区での自然調査を開始。温泉水に生息する水生昆虫の調査中に、初めてオンセンゴマツボらしき生物を発見しました。さらに、大分県の環境保護班及び専門家と共に現地調査を行った結果、確かにこの巻貝が生息していることが確認されました。
環境の激変と生存
再発見された場所は、かつての生息地とは大きく異なり、水路は暗渠化されており、激しい環境変化の中で生き残っていました。それでも、亀川の温泉に生きる人々との共生は、地域の自然の重要性を再認識させてくれます。この再発見は、別府八湯の名に恥じない生物がまだ存在していた証でもあり、貴重な生態系の一部を守るための方策を考えるきっかけとなりました。
未来への希望
今後の調査と研究は非常に重要です。地域住民や観光客に向けた啓発活動を通じて、この貴重な淡水巻貝の存在を知ってもらうことが目指されています。具体的には、生物多様性の重要性を訴えるイベントやお話会を開催する予定です。市民がこの生物の存在を誇りに思い、地域の自然を大切にする意識が広がることが期待されます。
大分の未来を守るために
「オンセンゴマツボ」の発見は、ただの学術的なニュースではなく、地域の自然環境が持つ価値を再認識する機会です。生態系の保全と地域の人々との共存がどのように進んでいくのか、今後の展開が非常に楽しみです。温泉と生態系が共生しているこの地域の独特な魅力を、私たちも一緒に守っていきたいものです。
会社情報
- 会社名
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NPO法人北九州・魚部
- 住所
- 福岡県北九州市小倉北区大手町2-122F
- 電話番号
-
093-287-0517