大林組が開発した内装用不燃合板
株式会社大林組とそのグループ会社である内外テクノスが共同で開発した新しい内装用木質建材「アルファティンバー®シリーズ不燃合板」が注目を集めています。この製品は、合板に特殊な金属箔をシート加工して不燃化したもので、内装での使用が期待されています。
開発の背景
大林組と内外テクノスは、2021年に発売した「アルファティンバー」を起点に、より高機能な建材の開発に取り組んできました。アルファティンバーは、針葉樹の無垢材に熱反射性の金属箔複合シートを使用した製品で、表面を天然木シートで仕上げることで、不燃性を保ちながらも木質感を楽しむことができます。この技術により、従来の不燃木材に比べて白華現象が起こりにくく、納期も短縮されるという特徴があります。しかし、無垢材を使用したため、サイズに制約がありました。
これを解決するために、両社は合板を下地として使用し、特殊な金属箔複合シートを貼り合わせた新しい不燃合板を開発。これにより、さまざまな内装材との組み合わせが可能になりました。
アルファティンバーシリーズ不燃合板の特長
1. 高強度
「不燃合板」はJAS規格に準拠した合板を使用しているため、白華現象が生じず、ビスやくぎを使用することができます。これにより、施工の自由度が広がります。内外テクノスでは、石膏ボード仕上げも対応しており、多様な内装材にマッチします。
2. 加工の自由度
本製品は、中空のボックス形状に加工することが可能で、大型の飾り柱や壁材を製作できます。中空構造により、製作物が軽量化され、施工が容易になるのも大きな魅力です。
3. 美術品のための安全性
一般的な合板から放散される有機酸ガスが、美術品に悪影響を及ぼすことがありますが、アルファティンバーの不燃合板は金属箔複合シートでこれを遮断。美術品展示用ケースなどの使用にも適しています。
4. 環境への配慮
この製品は難燃剤の注入や長時間の乾燥工程を必要としないため、製造時のエネルギー消費を抑えることができ、環境負荷を大幅に削減。解体時には箔シートを外すことで木材のリサイクルも可能となっており、この点でも持続可能な社会に寄与しています。
今後の展望
大林組と内外テクノスは、この新しい不燃合板を今後さらに普及させることで、安全で安心な木質空間の実現に貢献することを目指しています。デザイン性と機能性を兼ね備えたこの製品は、さまざまな場面での活用が期待されています。
このように、アルファティンバーシリーズ不燃合板は、現代の内装業界における革新的な選択肢として、多くの可能性を秘めています。火災に強い安全な建材として、今後の需要が高まることが予想されます。