M&Aを活用した企業成長戦略セミナーが開催
2024年7月25日、オンラインにおいて、日本M&Aセンターの斎藤弘樹氏による『M&Aを活用した成長戦略セミナー』が成功裏に開催されました。このセミナーは特に中小企業の経営者に向けて、昨今の経営課題である後継者不足や事業承継の重要性を浮き彫りにしました。
背景と現状
最新のデータによれば、日本では約245万社の中小企業が2025年には70歳以上の経営者を抱えることが予測されています。その中で127万社が後継者が未定という深刻な現状があります。これは黒字のまま廃業に追い込まれる企業も約60万社に及ぶことから、多くの事業者が頭を悩ませている課題です。
経営者には主に3つの事業承継の選択肢があります。1つ目は親族への承継、2つ目は社員の中からの承継、3つ目がM&Aです。実際、現在ではおよそ4割の経営者が第三者へM&Aを選択肢として考えています。この選択肢の中で、M&Aが持つ意味やメリットについて斎藤氏が詳しく解説しました。
M&Aのメリット
M&Aには多くの利点がありますが、特に以下の4つが重要です。
1.
後継者問題の解決: M&Aにより、経営者不在の企業も新たな経営資源を得ることが可能となります。
2.
従業員の雇用確保: 企業として存続することが雇用の維持にも繋がります。
3.
株式の現金化: 経営者は株式を譲渡し、現金化することができます。
4.
成長戦略の実現: M&Aを通じて、新たな市場や事業展開が実現しやすくなります。
M&Aは単なる「合併」ではなく、企業のオーナーシップが変わる手続きであるため、適切に行えば、両者にとってウィンウィンの結果を導くことが可能です。特に、経営者同士のマッチングは非常に大切であり、相互にとって成長が見込める関係を築くことが求められます。
セミナーの内容
この日のセミナーには27名の中小企業経営者や従業員が参加し、M&Aの概要やそのメリット、さらには海外企業とのM&Aの可能性についても触れられました。特に斎藤氏は、今後のM&A市場の展望についても言及。海外進出を目指す企業にとってのM&Aの重要性を強調しました。
講師の紹介
斎藤弘樹氏は、日本M&Aセンターの海外事業部長であり、タイと韓国におけるM&A業務を担当しています。彼は一橋大学を卒業後、外資系金融機関に勤めた後、2012年に日本M&Aセンターに入社。以来、数多くの中小企業の事業承継や成長戦略の実現を支援してきました。
さらに、斎藤氏は2024年1月にタイに現地法人を設立し、その代表に就任します。このように、国際的な観点からもM&Aを推進している彼の活動は、今後のビジネス界においても大変注目されています。
このセミナーを通じて、多くの中小企業経営者がM&Aを身近な選択肢と感じ、成功した事業承継や成長に繋がることが期待されます。