ファーストリテイリングとUN Women
2019-06-28 16:15:08
ファーストリテイリングとUN Womenの新たな協力関係が女性の地位向上を目指す
ファーストリテイリングとUN Womenの新たな協力関係が女性の地位向上を目指す
ファーストリテイリングが国際連合の女性機関であるUN Womenと結んだ新たなグローバルパートナーシップは、女性のキャリア形成を支援する画期的な取り組みです。この共同プロジェクトは、アジア地域の縫製工場で働く女性に焦点を当て、約160万米ドル(約1億7千万円)の資金を提供することに決定しました。これにより、ファーストリテイリングは、女性のエンパワーメントを目的とした独自のプログラムを策定し、地域ごとの課題に対応する方針です。
このイニシアチブは、ファーストリテイリンググループ内での多様性を促進し、女性の活躍を一層促進するため、管理職を対象にしたトレーニングプログラムを実施することも含まれています。こうした取り組みを通じて、企業文化の醸成を目指し、すべての従業員が安心して能力を発揮できる環境を整えていく予定です。
バングラデシュ、中国、ベトナムにおける女性の現状
アジアの縫製産業では、働く人々の約80%が女性ですが、上級職や管理職に昇進する機会は非常に限られています。このように女性たちは、低賃金で昇進機会もない状態にあることが多いのです。
UN Womenの事務局長であるプムズィレ・ムランボ=ヌクカ氏は、縫製業界の女性労働者が直面する課題に触れ、このグローバルパートナーシップが彼女たちの状況を改善する大きなチャンスであると述べています。
プロジェクトの3つの柱
ファーストリテイリングとUN Womenの共同プロジェクトでは、以下の3つの領域に注力します:
1. 女性管理職の育成:女性がスーパーバイザーやマネージャーに就く機会を増やし、持続的に活躍できる環境を作ります。
2. 新たなスキル習得機会の提供:機械操作を含む現代的なスキルを習得するためのプログラムを提供します。
3. ジェンダー意識の改革:工場経営者や男性管理職の意識を変えることで、女性の活躍を後押しする文化を育てます。
初年度は、バングラデシュ、中国、ベトナムの工場を対象に、それぞれの地域の特有の問題を特定するアセスメントを行います。その結果を基に、次年度からは約200の主要工場において、管理職候補として選ばれた女性に対する支援プログラムを実施していく予定です。
持続可能な未来のために
ファーストリテイリングは、全てのサプライチェーンの関係者が安心して働けることを優先課題と位置付けています。過去にもバングラデシュとインドネシアで、工場労働者を支えるプロジェクトを実施しており、その成果として地域の基礎教育プログラムに収益の一部を再投資しています。
この新たなプロジェクトは、単なるキャリア支援を超え、工場で働く女性たちが地域社会で活躍するための基盤を整えることを目指しています。長期的には、女性たちが自身のキャリアを築き、生活の質を向上させることで、コミュニティ全体が活性化することに寄与するでしょう。
ファーストリテイリングの柳井正代表取締役は、女性一人ひとりがその力を発揮できる社会こそ、サプライチェーン全体の持続的成長につながると強調しています。このような取り組みを通じて、ファーストリテイリングとUN Womenは、新しい未来の創造に向けた第一歩を踏み出しました。
会社情報
- 会社名
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国連女性機関(UN Women)日本事務所
- 住所
- 東京都文京区春日1 丁目16−21
- 電話番号
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