不動産M&Aの新たな時代、海外投資家に向けた提携の意義とは

不動産M&Aの新たな潮流

最近、日本の不動産市場では、「不動産M&A」が注目を浴びています。これは、法人が保有する不動産の株式や持分を譲渡することで、実質的に不動産を移転させる方法です。一般的な不動産売買とは異なり、法人の名義変更を通じて行われるこの手法には多くの利点があります。特に、契約関係や金融機関との与信関係が維持されることで、売主にとっても税務上のメリットが期待できるのです。

しかし、現状の不動産M&A市場では、財務的な知識を持つ仲介者や営業主体の業者が多く、専門的な不動産の知見や法務知識が不足しているケースが見受けられます。これが原因で、売主や買主双方に不利益やリスクをもたらすことがあるのです。したがって、我々は不動産業者が主体的に関与すべきであると主張しています。専門家が関与することでのみ、健全で透明な取引が実現できます。

そのために、一般社団法人不動産M&A診断士協会は、「不動産M&A診断士」の育成と認定を行い、業界における新たな役割の確立を目指しています。診断士は不動産評価と調査を基盤にし、M&Aの理解を持つことで、売主・買主の両者に寄り添ったサービスを提供する専門家として市場に登場します。さらに、ロカマネジメント株式会社が診断士を支援し、法務・税務・不動産評価の面からバックアップすることで、高度な課題に包括的に対応できる体制が整えられています。

提携による新たな展開

この度の提携によって、プロパティアクセスは海外投資家に対して、新たに法人そのものを購入対象として提案できるようになります。シンガポール、韓国、フィリピンを中心とする投資家にとって、税務・法務の整理がなされた信頼できる取引が保証されるのは大きな利点です。この取り組みは、日本不動産市場全体の信頼性を高め、持続可能な成長を促進することに寄与すると考えられます。

注目すべきは、このような環境を整えることが、単に一企業の利益を追求するだけでなく、全体的な市場環境の改善に資することです。投資家が安心して不動産に参入できる状況を作ることが、長期的には日本の不動産市場における成長につながるでしょう。