京都 蔦屋書店で開催される豊田涼華の個展
京都市下京区に位置する京都 蔦屋書店が、2024年8月14日から9月2日まで、アーティスト豊田涼華の個展「ゆらぎ / fluctuation」を開催します。この展示では、現代社会における人や物の存在の不確かさをテーマにした作品が全15点展覧されます。
豊田涼華は、日常の中で出会う人々や瞬間、さらにはSNSで偶然見かけた写真など、さまざまな事象から自らの記憶や感情を呼び起こし、新たな風景を形作る作家です。彼女の作品は、ただの現象を超え、他者の生活を感じさせる空間を生み出すことで、見る者に親しみを与えます。個展のメインとなる作品「漂う島」や「留まる波、動く山」においては、人間の身心の動きや、自然界の大きな流れが制約されることのない全体性を見事に表現しています。
展覧会の中で特に注目したいのは、作品「漂う島」です。この絵は、寝そべっている人間の身体を自然の雄大な姿に重ねあわせることで、生命のリズムを感じさせる一方で、視覚的に訴える力強さを持っています。また、「留まる波、動く山」は、音楽フェスで見られるファンたちの熱気を画面一杯に表現し、生き生きとした安定と動きを兼ね備えた力作となっています。
豊田は、自身のアートがどのように成り立っているかを語る中で、絵を描くことは一つの出来事の一部を目撃し、それを再創造する行為であると述べています。彼女の作品は、様々な目を通して世界へと接し、見えてくるものは、変わり続ける現実の中での変わらない一瞬を捉えようとする試みです。
また、豊田自身が感じている、物事の本質的なゆらぎについても深く考察しており、これまでの水の流れや風による木々の揺れを引き合いに出します。彼女は「同じものはない」という自然界の基本的な法則をアートに反映させ、私たち自身や生活環境の不安定さを視覚的に表現しています。
展示情報
無論、アート作品の購入も可能で、展示される全作品は会場の店頭で販売されます。また、オンラインアートマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」でも、8月19日から9月2日の間、作品がオンラインで購入できます。プレセールスの状況により、事前に販売が終了する可能性があるため、早めの確認をおすすめします。
豊田の背景について、彼女は1996年に三重県で生まれ、東京藝術大学大学院の美術研究科を卒業した新進気鋭のアーティストです。彼女の過去の展覧会には、台湾や東京での個展が含まれており、鹿児島や大阪など様々な場所でその才能を発揮しています。
詳細
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開催期間:2024年8月14日(水)~9月2日(月)
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開館時間:10:00~20:00
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開催場所:京都 蔦屋書店 6F アートウォール
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入場料:無料
アートが身近に感じられるこの個展は、多忙な日常の合間に立ち寄りたくなる場所です。豊田の描く「ゆらぎ」の世界観があなたを待っています。ぜひ、実際に足を運び、そこに漂うアートの醍醐味を体感してください。