原宿「irotoaコラボレーションストア」: 新しい就労支援のかたち
インクルーシブカルチャーブランドの「irotoa(イロトア)」が、原宿の中心地にコラボレーションストアをオープン。この場所では、知的障害、精神障害、身体障害を持つ方々を対象にした新しい就労継続支援B型のモデルを導入する。その根底には、利用者が自分らしく働ける環境を提供し、経済的自立と社会参加を促進する意義がある。
ユーザーに寄り添った支援設計
利用を開始する前には、本人や家族、支援機関からのヒアリングが行われ、生活リズムや体力、興味などを細かく把握する。この情報をもとに、個別支援計画が策定され、各利用者に合った作業が提供される。特に、作業内容は「できる」から始めることが大切であり、これにより初期の成功体験を確保し、その後のスキル向上を目指している。
利用者自身が持つ「色」と「音」が、作業を通じて自然に表現される瞬間を大切にしている。この理念は、ただ単にスキルを身に付ける活動を超え、自己表現を促すものでもある。
家族の証言 - 「変わったのは表情か、心か」
家族の方々からは、同事業所での体験がもたらした変化について多くの声が寄せられている。例えば、ある家族は「通い始めてから朝の生活リズムが整い、今では家事を手伝う姿も見られる」と述べ、他の家族は「やりたい作業に基づいて役割を作ってもらえるため、毎日が楽しい」と語る。
さらには、「精神的な波があっても、その日の状況に応じた仕事内容が調整されるので、無理なく続けられる」といったコメントもあり、利用者の体調に対する配慮も徹底されていることが伺える。
また、作品が評価される機会もあり、「子どもが一生懸命に作った作品を周囲に褒められた時、家族としての誇りを感じた」と語る声も。こうした熱い体験の数々が、日々の活動を通じて利用者やその家族に自信を与えている。
日々の努力が開く未来の扉
「irotoaコラボレーションストア」では、接客や商品制作、イベント運営補助などを通じて、全国平均を上回る高水準の工賃を目指す方針を採用。基本的な工賃は短時間の利用で5,000〜10,000円、安定的に通所することで15,000〜30,000円程度と想定される。
さらに、利用者一人一人の努力が評価され、それに伴い工賃も増加していく仕組みを整えており、彼らの「自立」に向けた道筋が明確になっている。
この努力が積み重なることで、利用者は新たな挑戦や多様な生活の選択肢を手に入れることができる。
irotoa流の自立への道
「irotoa」が目指すのは、障害の有無に関係なく、すべての人が自分の色を描き、命の音を響かせられる社会。自立の定義は、一人ですべてを成し遂げることではなく、自分の意思で役割を選び、周囲とつながりながら存在感を発揮することにある。これを実現するため、以下の方法を取り入れている。
- - 自己選択の尊重: 利用者が「やってみたい」ことから始めるアプローチ。
- - 挑戦と安心の両立: 失敗を恐れず再挑戦できる環境を提供。
- - チャンスの場の創出: 自立を目指す人に挑戦できる舞台を提供。
- - 文化と福祉の融合: 原宿の文化的な立地を利用。
このように、irotoaはただの就労支援の場を超え、利用者が自己表現できる機会を与えることを目指している。
最後に
原宿という立地は、ファッションやアートなど多様な文化が交わる場所。この環境は利用者に自信を与え、「自分も社会の一員である」と実感させる貴重な機会を提供する。
利用開始は2025年8月1日から可能で、契約手続きが完了すれば、即座に通所が可能である。アクセスはJR山手線「原宿駅」から徒歩8分。
この新しいプロジェクトに参加し、自分らしさを輝かせる準備を整えよう。